税制論議と将来推計人口

2055年人口8,993万人 半世紀後の予測なんてまず当たるわけない。半世紀後に誰も責任を取る必要がない。約5年おきの行事なのだけれど、今回は一月前倒し。統計に基づく予想は中立的だが、出すタイミングによって世論操作にもなりかねない。
8,993万人というのは、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」が仮定した高位、中位、低位の三つの仮定の中で、中位の長期の合計特殊出生率が1.26とした場合だ。この数字は過去最低を更新した2005年の合計特殊出生率2006年に1.29に上昇するが、その後は再び下降すると仮定されている。
長期の平均寿命は男性83.67歳(05年78.53歳)、女性90.34歳(同85.49歳)が前提だ。これも過去の実績を元に機械的に推測したものだろう。
実際には女性の社会的進出で女性の平均寿命が男性の平均寿命に近づいてくることが今後あるかもしれない。2055年と言えば、男女雇用機会均等法が制定された1985年に成人した女性は90歳になっている。
また単身者が増えることの影響や、最近とみに強調されているメタボリックシンドロームの影響などなどはこれから結果が出てくるような気がする。
過去の実績どおりに物事が動くのなら日経平均は今頃8万円ぐらいになっていたろう。実際、バブル期そう予測していた人もいる。
結局、現状に基づく推計は今現在を投影したものなので多分、両方とも外れて結局人口は9000万人くらいに減るかもしれない。だけど、中身は全然違っているだろう。65歳以上の老年人口はそれほど増えないし、64歳以下の人口もそれほど減らないだろう。
この統計、過去2回は2002年1月、1997年1月に発表されている。その前は1992年9月だったようだ。今回はなぜか一月前倒しされたようだが、統計処理が早くなったのか、それとも税制論議活発化に合わせて、国勢調査速報とセットの形で「そのまま放って置くと、大変なことになりますよ」風な最終警告!日本政府の本当は怖い人口の予測的なシナジー効果を狙ったのか、よく分からないが、所詮参考だろう。
機械的な客観性をベースに結果的過大見積もりで煽るのは霞ヶ関の常套手段で、バブル期の土地高騰に火を点けたのは、都心ビルの過大需要予測だった。夕張市がああなっちゃったのも、リゾート法という霞ヶ関のレジャー大予言法だった。
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