被害者ゼロでも不二家存亡の危機!?

雪印乳業の二の舞」と言われても、実際の被害者は1人も確認されていない。死者を含め多数の食中毒患者を出した雪印乳業とはわけが違う。だのに、余計なこと言うから火に油を注ぎ、自己風評被害に陥っている。これが今の不二家の状況だろう。
不二家がやらかした消費期限切れ牛乳を使ってのシュークリーム製造についても、よく分からない。消費期限と言っても、消費者が口にする生乳会社が定める消費期限ではなく、牛乳を中間原料として使う場合の実質「使用期限」だ。シュークリーム製造過程で加熱されるだろうから、衛生上の問題はないはずだ。消費期限の切れた牛乳を使えばそりゃ、新鮮な牛乳を使うより味としてはまずいかもしれない。まずいシュークリームを食うか食わないかは単なる消費者の選択に過ぎない。
細菌検査で出荷基準の10倍という「シューロール」にしても、ちょっとオーバーなのじゃないかと。10倍だとトンデモナイと脊髄反射されそうだが、細菌なんてネズミ算的に増えるから10倍なんてある意味誤差の範囲だろう。一般的な細菌なんて空気中にもうじゃうじゃいるし、ただちに重篤な病気に結び付くわけでもないだろうに。小さな洋菓子店だって検査すればもっと凄い値のものだって出て来るような気がする。好ましくはないが、大騒動するほどのものではない。「今後気をつけてください」程度ででいいんじゃないか。
「過去7年間の間に、消費期限または賞味期限を過ぎた原料を使用したとの例が18件」という調査結果も、印象としてはむしろ少ないなあ、という感じだ。叩けば埃が出る程度の結果じゃないか。どこだってこれぐらいありそうな気がする。それから、「1日だけ期限オーバー」というのが悩ましい。出荷ベースと店頭ベースの勘違いがほとんどのような気もする。
公表が遅れたのは、まあ「大したことないだろ」と思っていたのだろう。実際、大したことないとは思う。すみやかに公表し、回収できるものは回収し、改善しておけば済んだものを、「雪印乳業の二の舞」という幻を恐れたのがまずかった。メディアはそれにサウンドバイトし、一気にこの不祥事を雪印乳業並みのランクに引き上げた。こっちの方は大したことあるのだ。消費期限よりも、細菌よりもサウンドバイト菌ははるかに怖いという認識が足りてなかった。
いったん、「雪印乳業の二の舞」というモメンタム付きでメディアに広がると、とんでもなくオーバーになるのは、納豆がダイエットに良いとなると一気に品薄になるのと、方向が逆なだけでまったく同じ原理で、不二家の洋菓子が品切れになってしまった。
私はなんとか不二家に立ち直ってもらいたいと思う。被害者ゼロでも会社が潰れましたじゃ泣くに泣けないだろう。
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