北朝鮮ジャーナリスト
「北朝鮮ジャーナリスト」をぐぐってもまだそんなにヒットしない。最近の新語のようだ。今日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」で「北朝鮮ジャーナリスト」李ジュン氏撮影の「北朝鮮極秘ビデオ」が紹介されていた。
李ジュン氏の正体はここに詳しい。
リ・ジュン氏は、現在北朝鮮に暮らす30代後半の男性。幼少から貧困生活。泥やとうもろこしの粒の薄皮、塩をなめて生きてきた。父と妻は餓死。そんな暮らしに耐えかね、4年前に中国に脱出した。そのとき中朝国境で脱北者を取材している日本人ジャーナリスト・石丸次郎氏と運命の出会いを果たす。「外国人が命がけで、北朝鮮の酷い実情を伝えようとしている。」石丸氏に感銘を受けた彼は、石丸氏からビデオカメラの撮影法を学び、なんと北朝鮮へ逆戻り。以来4年間隠し撮りを続け、定期的に中朝国境の川、豆満江で石丸氏にビデオテープを渡し、映像を海外に流しているのだ。「リ・ジュン」という名は石丸氏とともに考えた、ジャーナリストネームである。
テレビでは「李ジュン」となっていたが、石丸次郎氏も出演していたので同一人物だろう。ビデオのクレジットにも「李ジュン氏撮影」となっている。
去年10月に「北朝鮮潜入ビデオの撮影者は誰?」を書いた時点では、撮影者の名を出したビデオは一つも見なかった。 その時に比べれば「進歩」なのかもしれない。あるいは疑問を呈したための修正なのかもしれない。
こちらでは確かめようがないが、ビデオ機材を石丸氏から借り、命懸けで撮影して豆満江越しにビデオを受け渡すなんてこと実際にできるのかどうか。あるいは「ルート」さえしっかり確立していれば、素人が思うほど危険でないのかもしれないが、いずれにしても言葉が悪いかもしれないが、李氏は鵜飼いの鵜のような感じもする。
もたらされた情報もそれほど新鮮とも思えない。北朝鮮の危機を強調するもので、栄養失調で抵抗力がなくなり、伝染病が蔓延しているとか。いつも思うがネガティブな情報ばかりで却って不自然さを感じる。何度「冬を越せるか」情報を聞かされたことか。
客観的データとして食糧問題は人工衛星によるリモートセンシングで収穫量は大体分かるものだが、この手の情報はほとんど聞かない。相変わらず政治的意図としての情報しか流されていないのかと思う。はっきり言えば「飢餓情報」は北朝鮮にとって食糧支援をねだるためには好都合だろう。
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