ジャイロボールにおける球面環境問題

gyro1gyro2MLBではもう既に松坂大輔投手のgyroballがセンセーションを起こしているようだけれど、Wikipedia読むと、どうもジャイロボールって、言わば地球環境問題ならぬ球面環境問題だと思える。
ジャイロボールの図解はこちらが分かり易い。
例えば、フォーシームジャイロ(対称ジャイロ:図左)は、正面の縫い目面積が小さく、しかも縫い目の大部分は地球に例えれば高緯度地帯に偏在している。回転速度は赤道付近が最大で、北極(ど真ん中)ではゼロだから、それだけ空気抵抗が起き難いということになる。逆にバックスピンの直球の場合、縫い目の対称、非対称が交互に正面に出るので球速が同じなら空気抵抗は大きくなる。
螺旋回転で前進するため、一般的な直球に比べて空気抵抗が少なく、リリースから捕手が捕球するまでの、初速と終速の差(空気抵抗による減速の程度)が非常に少ない。
とあるが、単に螺旋回転だからというのは説明不足だろう。
また、縫い目が少ないながら高緯度から低緯度へと経度線に平行に近く配置されているのでより回転速度を抑える働きをするので、球速を抑える方には働きにくい。これこそが、球速が落ちない秘密だろう。
それに加えて、縫い目を無視しても、ジャイロは正面が全て空気抵抗に対して垂直に回転しているため、空気抵抗は満遍なく回転速度を遅くするように働くと思われる。
これに対し、バックスピンがかかっている直球は正面上半球面は空気に対して逃げ、下半球面は空気に対して抗うため、揚力(マグヌス力)が生じる分、回転速度の減殺よりも速度の減殺により多く消費されるということかと思う。重力は公平にかかるので、ないものとして考えると、垂直に空気抵抗が働く分、球速の減殺分が更に大きくなるんだろう。
とすると、ジャイロボールは直球に比べて回転速度が落ちる分、ホームプレートにどんどん近付くにつれてナックルボールに変身してくるということじゃないか。ま、いくらなんでも、回転がナックル並みになくなるなんてことないだろうが、分からない。ジャイロボールは回転があるといっても、技術的に直球ほど回転速度は付けられないはずだから元々回転速度は遅いだろうからだ。
この特徴は、ツーシームジャイロ(非対称ジャイロ:図右)の方がより鮮明に出るような気がする。縫い目が非対称のため、対称ジャイロとは逆に縫い目の大部分は赤道付近に偏在するため、極端に空気抵抗が大きくなり、球速も異常に落ちるが、回転速度も異常に落ちてよりナックルボールに近くなるということにならないか。
とすると、
「ジャイロボールは予測を裏切るボールである」という大前提
というのは、この直球のナックル化と言い換えてもいいんじゃないかという気がする。
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