タミフル有意差なしとする奇妙な報告書

<タミフル>異常行動に「否定的」見解を撤回 厚労省次官 タミフル使用と未使用の場合の異常行動に有意差がないとされる「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」を読むと、実に奇妙だ。そこには「タミフルと異常言動との関連性はタミフル未使用での発現頻度は 10.6%であったのに対し、タミフル使用では 11.9%と有意差を認めなかった」と書かれているだけで、、「異常行動に有意差なし」とはどこにも書かれていない。
この「有意差なし」はテレビニュースやワイドショーでもたびたび取り上げられてきた。
PDFファイルを「異常」で検索すると39件ヒットする。そのうち34件は「異常言動」であり、残りは「異常行動・言動」だ。で、「異常行動」のみのものは0件だ。「異常行動・言動」が記載されているのは、前置きの部分に集中しており、残り1件は「資料3. 患者・家族への説明文書および同意書」の中に書かれているだけだ。
肝心の調査資料の中に書かれてある項目はあくまで「異常言動」であって「異常行動」ではない。
つまり、問題となっているマンションから飛び降りて死亡したとかの「異常行動死」とは何の関係もないじゃないか! その証拠にこの報告書を「死」という語で検索しても1件もヒットしない。徹頭徹尾、発熱によるうわ言などの「異常言動」に関する報告書なのだ。こんな程度のことなら素人だって常識で了解できる程度のものだ。。「有意差なし」とするなら「異常行動死」でも有意差がないくらい、タミフル未使用で同じくらいの事例がなければならないが、それはどこにあるのだろう。
ところが、なぜかマスメディアでは「タミフル服用群の11.9%、非服用群の10.6%に異常言動が見られたが、両群間で発生率の有意差は認められない」が「タミフル服用群の11.9%、非服用群の10.6%に異常行動が見られたが、両群間で発生率の有意差は認められない」に変換されて紹介されているしまっているケースがほとんどだ。
なんでこんなものを見てマスメディアは「タミフルが異常行動を起こすわけでないということらしいです」などと言って来たのだろう?
この報告書は最初から「異常行動死」とは無関係なのだ。タミフルで異常行動が特に見られないという報告は製造元のロシュ社からも出されているが、いくらマスコミでも製造元の言い分を鵜呑みにしないだろう。マスコミがこれまで「有意差なし」と根拠付けていたのは、実は最初から「異常行動死」とは何の関係もないこの横田俊平横浜市立大学大学院教授の調査報告書だったのだ。これははっきり言ってデマ、意図的風評被害の類だ。
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