アコークロー

アコークロ「アコークロー」とは沖縄の方言で、夕暮れ時。つまり「明るく暗く」が訛ったようだ。公式HPのurl見ると、「クロー」がcrowとなっており、カラスのように思えるが、確かにカラスも黒いが暗うとは違うだろ。
沖縄の夏で心打たれるのは夕暮れ時。湿った生暖かい濃厚な暗闇は沖縄ならではのものがあり、そこに潮の香りも、今しがたまで空を染めていた紅い夕焼けの残像がオーバーラップして、この映画の人々のように心の箍が外れてしまう。
琉球発(初)のホラー映画で沖縄のシャーマン信仰が絡められているが、ストーリーそのものよりも、雰囲気を楽しむ映画。例えば、沖縄に初めて行った時、浮かんでいる雲が本土より異常に低いところにあり、高層ビルでもあれば届いてしまうのじゃないかと思えたほどだった。天(神)が低いから、神は地上と身近なのだとは今にして気付く。
沖縄の開けっぴろげな家と裸電球の暗さ、ジトーとした蒸し暑さがオブラートになってそんなに恐怖は感じられない。この映画で悪霊となるキジムナーも、とどのつまりは、あの見た目は気色悪げだけれどもでなんとなくエロチックでエキゾチックなガジュマルなのだから。
神も日常だが恐怖も日常の中に溶け合っていて分け隔てがないというか。つまり、アコークローとはあっちの世界とこっちの世界が混ざり合う時間帯なのかと。
こういう大らかな恐怖の中で、何気なく自殺する人、何気なく死体遺棄する人、なんでそうなっちゃったの、と深く追及しないほうがいい。
erikaユタ役のエリカは1995年の米兵少女暴行事件を題材にした、現在製作中のアメリカ映画「レイ、最初の呼吸」で主役を務める沖縄出身の美しい女優だ。いかにも内地風の主演田丸麻紀とは好対照の雰囲気。けれど映画では子供にキモがられてしまうのはなぜだろうか。
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