天然コケッコー〜「観迎」

夏帆小中学合わせて児童生徒6人の過疎の学校に東京から転校生がやって来た。「歓迎」のために黒板に大書されていたのは「迎」。芸が細かいなあ、きっと先生が出て来て間違いを直すんだろな、と期待したが先生も気付かずじまい。なんか天然ボケかあ。
一応ぐぐって見ると、"観迎"は894件、"歓迎"は37万件。ま、どうでもいいか。
舞台は島根県浜田市三隅町浜田市に行ったことあるけれど、かなり寂れた市だが、海岸には奇勝の石見畳ケ浦もあり、海は美しい。映画にも海が出て来る。風力発電所もある。
更にその市からはずれた農村なので、ある意味、これは物語を借りた滅び行く日本の過疎村の記録映画でもある。実際、物語らしいストーリーもない。夏から始まり、秋、冬、春と季節がゆっくり巡る。ストーリー展開もゆったりしていて、観客はゆっくりと日本の田舎の風景を楽しむことができる。「観迎」とは、「ゆっくり観ていって下さい」という観客向けメッセージなのかもしれない。
特にみんなで歩いて20分の海へ泳ぎに行く場面は夏の日盛りの郷愁に満ちている。小便たれの最年少の女の子の演技が秀逸な気がする。
主演の夏帆が、田舎でも修学旅行先の東京でも聞くグゥォーーーーンという音は何なのか? のんびり見ていたのでよく分からない。多分、思春期特有の変調に関するものだろうか。
夏帆は16歳。予定美人な女の子。目が可愛い。視力弱そうなのでコンタクト眼美人になるんだろう。5年後どうなっているか楽しみ。
猛暑日に心身とも涼みたい向き、帰省したくても帰省する故郷のない向き、帰省する故郷はあっても、そこはもう既に以前の故郷でなくなっている向きには観迎な映画。
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