冷涼感漂う映画「怪談」

怪談恐怖で背筋が寒くなるよりも、酷暑の折、冷涼感が漂う避暑優先の心臓に優しい「怪談」(中田秀夫監督)だった。映像で日本の美が満喫できるのもまたいい。
ツッコミどころ
尾上菊之助が愛人の師匠の目の前で庭のアジサイの花を採って弟子の娘に手渡す。いくら鈍感男でもこれはないだろう。
・優男のはずだった菊之助が突然、宮本武蔵の一乗寺の決闘風にバッタバッタと二刀流で多勢を薙ぎ倒す。鎌の怨念が乗り移ったか。
・蛇ウジャウジャはあまりにも平凡な演出で白ける。黒木瞳が蛇女としたら、ちょっと無理ありすぎ。むしろ、妹の木村多江の方が蛇女ぽい。
・ところで「恨みますぞ」と言って殺された父親がなぜ愛娘を醜女にさせた挙句、死なせることになるんだろか、という素朴な疑問。あんまりじゃないか。女性蔑視も甚だしい。なんで恨まれるはずの優男が死ぬまでいい思いばかりするんだ? あんまりだ(TAT)
・これはきっと、怨霊によって成就を阻まれたた禁じられた悲恋の物語――なのかねえ。それにしても最後の雁首との接吻は、雁首だけが滑稽にきもく、黒木瞳はすっかり綺麗に回復しちゃっていてバランスを欠く。どうせならこの世のものとは思えぬ恐ろしい醜女の極みのような姿で色男の雁首に接吻するというのがあるべき終わり方ではなかろうか。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 映画ブログへ