水の自給率まで下げる美しい国

ミネラル水、06年の輸入最高に・家庭に定着(日経) 今年上半期も輸入は前年同期を上回る勢いといい、横浜税関などは「健康志向の高まりなどを背景に外国産ミネラルウオーターが家庭に定着したため」と分析している。ナントカ還元水」「今、水道水を飲んでいる人はほとんどいないんじゃないですか」と発言した故松岡利勝農水相が効いたのか知らないが、全く農水相にあるまじき発言だったと今更ながら思う。
日本ミネラルウォーター協会の統計では、輸入ミネラルウォーターのシェアは年々増え、昨年は23.5%になった。1995年に30.5%というピークが一度あったが、今世紀に入り、一貫してシェアは伸びている。今はユーロ高が特に影響してか金額ベースでは19.9%でピークの1995年の20.5%に迫っている。
このままでは食糧自給率の二の舞で遠くない将来に国内ミネラルウォーター自給率50%割れになりそうだ。
そもそもミネラルウォーターは特段ミネラルが豊富でもなく、むしろ規制は水道水よりも甘い面もあり、健康に良いとは必ずしも言えない。日本に住む限り水道水で十分なのだ。
水資源なら100%自給可能なのに、リッター当たりではガソリンより高いミネラルウォーターを買いながら、ガソリン価格上昇にはぶーたれるというおかしな国民だ。国内産は出荷額ベースでリッター83円、輸入物は運賃保険料込価格で67円と輸入物の方が安いが、コンビニで買う消費価格は輸入物リッター価格は200円前後で国内産より2、3割ぐらい割高だ。ガソリン価格は安いところだと今でも120円台だ。しかもかなりの部分が税金。いっそミネラルウォーター関税でも作ればよい。
特に輸入物ミネラルウォーターは地球の裏側からわざわざ運んでくるのだから実質石油を飲んでいるに等しい。フードマイレージはそもそも農水省が導入した概念だが、ミネラルウォーターが例外であるわけない。ところが、その大臣の松岡利勝が「今、水道水を飲んでいる人はほとんどいないんじゃないですか」と発言したのだからその罪万死に値する。だから松岡は自殺した。
けれど、環境省クールビズだのレジ袋だのとほとんど無意味なキャンペーンにはやたら熱心であっても、水の自給率向上など聞いたことがない。日経もこの記事を日経エコロノミーニュースにはアップしておらず、いきいき健康にアップしている。そのセンスは流石だ。
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