安倍辞任も福田一斉擁立も米政府の意向?

拉致問題「私の手で解決」 地方遊説で福田氏(朝日) 福田氏は、北朝鮮による拉致問題について「まだ向こうに残っている方がいると聞くと、見捨ててはおけない。私の手でこの問題を解決したい」と述べ、首相として問題解決に取り組む決意を示した。対立候補の麻生氏が、対北朝鮮の強硬姿勢を鮮明にしていることを意識した発言とみられる。
最近の安倍晋三首相辞任表明から急速な福田康夫一斉擁立という速過ぎる政局の流れを説明できるものがあるとすれば、この拉致問題だろう。
安倍内閣が一連のスキャンダルの連発を浴びるようになったのは、アメリカ政府が北朝鮮政策の転換となるターニングポイントとなった今年一月の米朝ベルリン密談以降だ。その後、堰を切ったように安倍内閣のスキャンダルが続いた。
その代表格は久間章生元防衛相で、1月27日には「私は米国に『あんまり偉そうにいってくれるな。日本のことは日本に任せてくれ』といっている」と発言してペンタゴンの逆鱗に触れた。まるで外交姿勢を変えたアメリカへの八つ当たりのような発言と見ていたが、後に言ってもいない「原爆しょうがない」の捏造発言で辞任に追い込まれた。これなど単なる偶然とは思えない。「相互確証スキャンダル」でも書いたが、そのスキャンダルを陰でコントロールしているのは米政府とその意向を受けた霞ヶ関と見ていいだろう。
スキャンダルのみならずアメリカは慰安婦まで唐突に持ち出し安倍政権を揺さぶったのは記憶に新しい。もうありとあらゆる手で真綿で首を絞めるようにして安倍政権をいたぶっていたのだ。
思い起こせば、アメリカの意向に逆らって独自の資源外交を模索した田中角栄内閣がロッキード事件で失脚し、「米国債を売却してもいい」としゃべった橋本龍太郎内閣も無残な退陣を迫られた。ちなみに橋本内閣はアメリカの公共投資増大要求に逆らって緊縮財政策を図った。
北朝鮮に対し、強硬姿勢を貫いた安倍内閣も、それを継ぐと見られていた麻生太郎も、もはや米政府にとっては招かねざる客なのだ。
この米政府の意向という隠されたカードを考慮すれば、最近の意味不明的政局も合点がいくというものだ。アメリカは遅かれ早かれ北朝鮮テロ支援国家から解除するだろう。そのためには、福田内閣が誕生してもらわなければ困るのだ。福田康夫の言葉の端々に米政府の意向が透け出ている。福田氏は「拉致問題は自分の手で解決する」と語ったが、要するに米国が納得し、北朝鮮の一番都合の良い形で「解決」するという意味だ。
つまり、一斉福田擁立は「天の声」があって初めて納得できるものだ。
一方、表向き最重要案件とされるテロ特措法の問題は、延長が不可能になることは世界から非難を浴びるかの如き空気が醸成されつつあるが、何か悪い冗談のように思えてくる。こんなの最初から最後まで大した問題ではなく、国内問題に過ぎない。
ワシントン・ポストが先日、社説を掲載して「再考」を促しこそしている。原文は↓
A Japanese Retreat?
Japan's presence in the Indian Ocean is by no means trivial. But it is modest compared with the commitment of allies such as Canada, Germany and France, which have forces on the ground in Afghanistan, at some political cost to their governments.
けれど、これなどあくまで日本向けの政治的メッセージであり、「世界」がこのことに「関心」を持っているわけでもなんでもない。恐らく、ワシントンポストの読者はこの社説を読んだ時点で一体何が問われているのか理解するのに難儀し、途中で読むのを止めるか、読み終えてもすぐに関心を失うことだろう。そりゃそうだろう。ガスステーション一時休業かなんて話、暇ネタもいいところだ。
これぐらいの小ネタが日本の政局の重大分岐点かの如く語られるのは、ためにする議論と見なければならない。本当に重要な問題を隠蔽するためには、似て非なる問題をあたかも最重要問題のごとく語らねばならない。現実にそう語られている。
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