サブプライムローン最大被害は欧州系銀行のワケ

No Regret Life:日銀低金利政策が、円キャリーを通じて米国に・・と言いますが、米国の住宅問題は、FRBがもっと引き締めておくべきだったと思います。
皮肉なことだが、FRBがもっと引き締めておいたら、サブプライムローンの焦げ付きはもっと拡大していたろうと思われるところに根深い問題がある。
主要各国政策金利の推移グラフを見ると、米国のFF金利は2006年6月を最後に利上げされていなかったのに対し、ユーロ圏は2.75%⇒4.0%に英国は4.5%⇒5.75%にまで上げられている。その結果、ユーロ高ドル安ポンド高ドル安が進んだ。ユーロ高円安は言うまでもない。
で、サブプライムローン焦げ付きの最大の被害者は欧州系の銀行だ。圧倒的なユーロ高、ポンド高を背景にほとんど無利子同然の日本から借金して債券化されたサブプライムローンに投資しまくった結果だろう。利払いの心配はないから思い切りリスク投資できる。
もし、FFが欧州並みにその後も利上げしていたらどうか。サブプライムローンの潜在不良債権はもっと大きくなっていたろう。不良債権が大きくなっても、日本と欧米の金利差は広がる一方だからますます旨みの出る円キャリー取引で化粧され、焦げ付きは表面化しにくい。多少損失が出ても安くなった円による負債は逆に利益になり損失を下支えしていたからだ。しかし、下支えできた分、焦げ付きが膨大になった。
これも以前に書いた「金利差の罠」のなせる業だろう。問題は主要通貨間の金利差なのだ。もはや各国の中央銀行が独立独自に金利を決めるとどういう困ったことが起きるかが示されたのがサブプライムローン問題だろう。お互いに各国の国益のために、一方は超低金利に、一方は国内だけ見て金利を上げ続ければ、結果的に大きなツケを支払わされる。私は主要中央銀行を束ねる国際中央銀行連合のようなものが必要な時代になってきたと思っている。とても「協調」程度では済まないのが現実だろう。
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