死刑執行の法務相署名拒否は三権分立違反
「死刑執行、自動的に進むべき」 鳩山法相が提言(朝日) 「ベルトコンベヤーって言っちゃいけないが、乱数表か分からないが、客観性のある何かで事柄が自動的に進んでいけば(執行される死刑確定者が)次は誰かという議論にはならない」と発言。
そもそもなぜ法務相の署名拒否が可能なのか分からない。
極刑を求刑したのは検事だ。検事は検察庁に属し、その検察庁を擁する法務省のトップが法務相だ。理屈から言えば、自分で死刑を求刑しておいてめでたく裁判所から死刑判決という許可をもらい、いざ執行となって署名したくないなんて自己矛盾も甚だしい。なら、指揮権を発動して、極刑の求刑を取りやめさせるのがスジだろう。裁判所の立場がなくなり、三権分立にも抵触するのではないか。
執行までの手続きを読むと、過去には司法の判決を平気で無視した大臣もいて一体何なのかと思ってしまう。死刑確定後の手続きは事務的な最終確認に過ぎない。確定後、半年以内に命令することが法律で定められているということは最終確認手続きに半年も時間を与えられているのだから、特別な疑念が生じた場合を除き、更に引き伸ばすのは遅延行為で法務相が法律違反しているに等しい。命令とは最終確認完了という意味で、死刑を認めるか認めないが法務相の権限でないことは明らかだ。
鳩山邦夫ってたまにぽっと正論を吐く。以前、発泡酒の酒税問題が話題になった時、もっと簡略化して「アルコールの含有量に比例して課税すべき」と言ったのもこの人だ。今回の「ベルトコベヤー」発言も、別に不適切ではなく、ベルトコンベヤーが動く中で不良品を発見する作業と思えばそれでいい。
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