ミャンマーと中国のインド洋進出野望

mynmarミャンマー軍政、集落を破壊 衛星写真で米団体が特定(朝日)
ミャンマー:国連外交に内政関与の壁 中露が強い警戒感(毎日)
なぜミャンマー軍政が強い態度に出ているかと言えば、中国にとってミャンマーはインド洋進出の外港になるからだ。
中国の関与に引き合いに出されるのはミャンマーの豊富な天然ガスの確保とされるが、天然ガスなどおまけみたいなもので、最終目的は↑グーグル写真を見ても一目瞭然で、インド洋進出だ。この見果てぬ野望のためなら、中国は何がどうあろうとミャンマー軍政を支え続けるだろう。だから高村正彦外相が「ミャンマーに影響力期待」(朝日)と中国にお願いしても無駄だ。長井健司氏の殺害状況の説明も公式には有耶無耶にされる可能性大だ。
将来的には中国からヤンゴンまで高速道路を敷き、ヤンゴン港には中国インド洋艦隊基地を置き、貿易、軍事両面で橋頭堡を築きたいのだろう。これは中国の経済・軍事両面の膨張を見れば必然だ。
今年の春、「ミャンマー、北朝鮮と国交回復 孤立国同士が協力へ」(産経)というニュースが流れたのは記憶に新しい。
ラングーン事件を水に流させたのは、仲介した中国の豪腕であり、同時にもう一つの要素、アメリカのテロ支援国家指定解除条件とも関連していると思われる。北朝鮮ミャンマー国交回復によってまず一つクリアした。残るのは、拉致問題だが、どうもハイジャック犯匿いをやめて日本に引き渡すことでOKになりそうな雲行きだ。つまり、拉致はテロではないということらしい。現実に今行われている六カ国協議は中国主導でのテロ支援国家指定解除条件を話し合う場に化している。
しかし、これだけアメリカが譲歩しても得られるのは短期的利益だけで長期的に見ればとんでもなく大きな代償を支払うことになるだろう。インド洋の半分の覇権は中国が握り、中東、アフリカへの資源ルートを確保することになる。長期戦略で着々と確実に手を打つ中国とレイムダック化したブッシュ政権とでは所詮、動機の深さが違う。
そのインド洋での洋上ガソリンスタンドの継続が大問題になっているという日本の影の薄さ、暢気さは際立っている。まるで漫画のような話だといえば漫画家に怒られそうだが。
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