大統領暗殺

death of a presidentこういう偽のドキュメンタリーをmock+documentaryでモキュメンタリー映画と呼ばれるらしい。現役のアメリカ大統領が暗殺されるという設定が論議を呼び、映画として上映されるのはカナダと日本のみ。イギリス映画だが本国ではテレビのみの放映だったようだ。日本でも当初の邦題は「ブッシュ暗殺」だったようだが、議論になって結局直訳調邦題で落ち着いたようだ。
内容的には、テレビ番組の長編ドキュメンタリーを見ているようだが、違うのは関係者の証言が延々と続き、そこにはナレーターもナビゲーターもいない。
結論は意外と予想の範囲内で、シリア人が容疑者として浮上、アフガニスタンのキャンプで軍事訓練受けた経歴があったからアルカイーダと決め付けられ、第一審は有罪。シリアに緊張が走る。
しかし、元湾岸戦争兵士が自殺し、遺書に息子がイラクで死んだのはブッシュのせいで、自分がやったと書いてある。それだけでは真偽が分からず新聞の片隅に載せる程度しかなかったから注目されなかったが暗殺された当日の大統領の詳細な日程表のコピーを持っていたから実はシリア人は冤罪じゃないかということで、第二審に入るところで終了。
何か絵に描いたような安直なストーリーだ。緊張感を演出しながら、この緊張感のなさは何なんだろう。
根本的問題として、今のレイムダックなブッシュさんを今月10月19日に暗殺する甲斐があるかということ。ジョン・F・ケネディとは違うんだよ、今の人は。ブッシュさんが暗殺されて本気で悲しむ人は限られているだろう。喜ぶにしても本気で喜ぶのはディック・チェイニーぐらいではないだろうか。テロリストだって多分、白けるだけだろう。ちなみにヒラリー・クリントン民主党次期大統領候補はこの映画がショッキングだと不快感を示している
実在の現役の米大統領暗殺という本来ならショッキングな狙いがショッキングに見えないのは、いてもいなくてもどっちでもいいや、もーどーでもいいや感が既に色濃く世界に漂っていてるからではないだろうか。もうブッシュさんが何を言っても、日本を含め世界がシラーッとしている空気が嫁ているのだろうか。配給が限定されたのは、実はショッキングだからではなく、中身が面白くないからだと思う。はっきり言って作り手だけが力みまくった大失敗作だ。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 映画ブログへ