キングダム 見えざる敵

kingdom敵同士が最初と最後で同じ台詞を吐いていたというのがオチらしい。しかし、その台詞はちょっとずつずれていて、そのズレは意外に大きく、とても対等とは思えない。
一方は殺された仲間のためにその台詞を吐き、もう一方は殺される自分が仲間のために吐く。
この時点で対等じゃないだろう。殺戮の連鎖、報復の連鎖といっても、これはある意味、見る側に精神的な洞ヶ峠を決め込む口実になってしまう。一体どっちが先なのかと言えば、映画の冒頭のお勉強からして先手の殺す側は明らかだ。そして、FBIはまるで中立を装うかのようにしてテロリストの巣窟に殴りこむ。結局、冒頭の解説も中立偽装のためなのかと思ってしまう。そんな手もあるのか。
これはまるでインディアンと戦う正義の開拓者側保安官という古典的西部劇じゃないか。反省の色なし。
途中、不覚にも居眠りしてしまった。朦朧としている間、カーチェイスまがいだのドッタンバッタンやっていたようだが、ここらへんは結果オーライで見なくてもさして影響なかったようだ。
テロの首謀者の家で子供が飴をもらた代わりにマーブルをあげる。こりゃ、まずい、と眠気が醒める。マーブルとはテロ現場にも落ちていたし。
それにしてもだ、無謀にも数人で巣窟を襲い、仲間を助け、首謀者も殺してしまう。やっぱりこれは中東を舞台に移しただけの西部劇だよ。
ただ、首謀者が死なんとしてあの台詞を吐く時、「心配するな」と仲間をなだめている点で重みに微妙な違いを演出しているようには見える。それが精一杯の贖罪なのかもしれない。
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