「学力テスト応用力不足」の大合唱

NHKニュースによると、全国学力テスト 活用力に課題だそうだ。けれど何が根拠かよく分からない。応用力不足していないだろう。
算数では、地図上にある長方形と平行四辺形の2つの公園のどちらが広いかを説明させる問題の正答率が最も低く、5人に1人の18%にとどまりました。A問題で単純な平行4辺形の面積を求める問題の正答率が96%だったことと比べ、基礎的な知識を日常の場面で具体的に活用する力が不足している実態が浮き彫りになっています。
これは、「活用力不足」が出た典型例らしいが、地図上では「平行四辺形」の底辺と高さが推定できる距離の表示は離れた平行すると思われる道路に書かれている。ニュースで見た限り、この手の問題に必ず必要な、「なお地図上のAとBの道路、CとDの道路はまっすぐで平行とする」というような但し書きはなかったように思う。こういう但し書きがないとしたら、応用しろと言われても回答不能だ。常識として、地図上で全く平行な道路というのはほとんどなく、厳密に考えれば考えるほど回答不能になる。そんなこと空気嫁じゃテストにならんだろう。
一方、知識あっても活用力低い 全国学力テストでくっきり(中日新聞・共同通信)を読んでもイマイチ分からない。
基礎的知識を問うA問題は平均正答率が73-82%と高い数値を示した一方、知識を活用する力をみるB問題は61-72%と10ポイント程度低かった。
えぇぇ、基礎知識を問うA問題の方が応用力問うB問題より正答率が高いのは普通に当たり前じゃん。たった10ポイント程度の差しかないのなら、むしろ応用力アリじゃないのか。あるいは基礎知識の不足の割に応用力あるじゃないか、とさえ思える。これが逆だったら、そっちの方が大変だ。
単純比較はできないが、過去の学力調査と同一の問題25問のうち22問で正答率が1-40ポイント上がっており、学力低下をめぐる教育論議にも影響が出そうだ。
なんだ、結局学力上がっているじゃないか。43年前に比べれば、アップしていて当然だろう。そんな昔には今みたいに塾通っている子供は比べ物にならないくらい少なかった。
他には、
【学力テスト】■算数・数学■−問われる情報整理能力(産経)
全国学力テスト:「活用力に課題」文科省が結果公表(毎日)
の二つはかなり客観的だが、それでも「課題」ありが見出しだ。
マスコミはなぜ素直に「学力向上」と書かず、「活用力に課題」だの、「知識あっても活用力低い」と後ろ向きな見出しになるのか。これは文部科学省の誘導説明もあるんじゃないか。ゆとり教育見直しの空気から、何が何でも本当は「学力低下」と持って行きたかったが、「基礎学力低下」とはさすがに打ち出せず、言うに事欠いて「応用力不足」にしたかったのではないか。応用力だって低下していないのにだ。
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