ALWAYS続・三丁目の夕日

続三丁目冒頭に登場するゴジラは、アメリカで作られた恐竜ゴジラは言わずもがな、これまでのどの日本のゴジラ映画よりも、リアルで迫力がある。このまんまゴジラで通して欲しいと思ったくらい。冒頭が良すぎるというのはちと問題だろうが、最新のVFXが懐古趣味を実現させる象徴がゴジラのように思える。
今回は原爆の落とし子ゴジラだけでなく、シベリア抑留帰り、戦死した筈の戦友の英霊まで出て来て、前回よりもむしろ、戦後の名残が漂っている。鈴木トモエが日本橋でシベリア帰りの恋人と再会するというのは「君の名は」のパロディぽい。
もう「三丁目」は寅さんのようにシリーズ化されるのだろうか。2年ごとに一作作れば、理屈から言って永遠に48年前を再現できる。映像技術の進歩で昔をリアルに再現するだけでもその価値はあるだろう。そうなれば、オリジナルの漫画から独立して一人歩きも可能だろう。
ただ、この続編、第一作に比べると初々しさがなくなっている。茶川君の芥川賞再チャレンジも、テーマとしてはイマイチ盛り上がらない。石原裕次郎の映画が出てくるが、兄の石原慎太郎の「太陽の季節芥川賞受賞以降の話で、本来なら芥川賞取り損ない、取ったのは現都知事だったくらいにしないと。けれど、3年遅い。それにしても、高速道路のない日本橋といい、都知事にサービスし過ぎじゃないか?
相変わらず、長髪で灰皿にタバコの山、丸めて捨てた原稿がちらかっているという紋切り型シーンは、彼の周りだけ時間が止まっているということかもしれないが、くどい。それに取り損なったとはいえ、候補作になったので、メジャーではなくてもそこそこ文壇で食っていける礎は築いたのだから川淵が子供を引き取ろうとするのには無理がある。当時は現代よりも純文学が読まれていたのだから。
前作から2年しかたってないので、映像技術はともかく内容的に突貫工事の印象が強い。2年ごとではなく、オリンピック並みに4年ごとぐらいがいいだろう。というわけで次回作品は1963年、東京オリンピック前年の沸き立つ東京ということで。
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