ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く(3)

五次元時空リサ・ランドールの五次元時空は観察されるものとしての次元が前提になっている。では、観察する側の立場からの次元を考えると、それはどのような次元構成に成りうるのかを考えてみる。
・0次元⇒点⇒無生物
・1次元⇒線⇒生物(環境との一次元的反応系)
・2次元⇒面⇒生物集団(生物自体が環境を形成する二次元的反応系)
・3次元⇒立体⇒高等生物(生物が自己言及して環境を内部化する三次元的反応系)
・4次元⇒branes⇒超越的視点の獲得(観察者と観察されるものとしての環境を更に高見から観察する四次元的反応系)
ということになるのだろうか。
branesというのは、ランドールがシャワールームのカーテンになぞらえたものでmembrane(膜)からの比喩。三次元世界はあたかもシャワールームのカーテンの水滴のように三次元braneに張り付いて 重力以外は他のbraneに移動できない。
生物の環境反応系は一応四次元まで行き着いているようだ。けれど、それは環境反応系の中では、他の三次元反応系とは比較にならない「弱い力」であるようだ。ちょうど物理的時空間において重力が最も弱いように。
そもそも、四次元反応系の「神の視座」的なものは純粋に比喩だ。比喩だけで成り立つ力というのはなぜこうも弱いのか。しかし、一番弱い力によって太陽系から銀河系などなどまでが成立しているように三次元反応系は比喩の力によって豊饒を保っている。
しかし比喩の彼方へは? 比喩のbraneから抜け出ることなんてできるのだろうか。この本も比喩だらけで分かり易いと言えば分かり易い。しかし、比喩抜きで少なくとも人間という生物は五次元世界を理解することが可能だろうか? 確実に言えそうなのは観察者たる人間が五次元宇宙を理解しない限り、五次元宇宙は発見できないということだ。
(関連entry)
ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く(1)
ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く(2)
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