日銀は利下げ圧力に屈するな

福井俊彦日銀総裁は22日、金融政策決定会合後の記者会見で、今後の金融政策について、利下げ方向の観測が市場にあることは承知していると述べたうえで、先行き不透明感の高まりを背景に、先行きの政策判断は微妙な局面に来ていると語った。(ロイター)
とりあえず利下げはしないようだが、たとえ、世界がひっくりかえろうが、利下げすべきでない。
日本銀行が利下げに追い込まれれば、膨張したマネーが原油や金属、穀物といった国際商品市場に流入。ITバブルと米住宅バブルに続く「資源バブル」が発生する――。クレディ・スイス証券白川浩道チーフエコノミストは17日、日銀が利下げすれば、資源バブルを経由して原材料費の高騰に拍車が掛かり、国内景気はむしろ悪化するとの見方を示した。(Bloomberg.co.jp)ということだが、既に資源バブルも崩壊しつつある。今日の下げではインドネシアの株が9%も一気下げし、資源関連国が一番きつい下げをしている。
唯一の処方箋は下げるところまで下げさせることだ。それ以外にバブルを抜け出す道はない。日銀が利下げすればカンフル剤効果で持ち直すかもしれないが、皺寄せは必ず日本経済に跳ね返ってくる。現に日銀が利上げせずにグズタラしていたものだから皺寄せはみな日本がかぶることになった。利下げとは日本を縮ませることだ。
もうお人よしはやめてくれ。大体、上げるべきときに上げないで来たから利下げしようもない。下げるべきはアメリカであり、ヨーロッパであり、オーストラリアだ。こちらは上げていなかったのだから、せめて下げずに我慢して「金利差の罠」を解消しなければならない。
サブプライムローンも、資源高もそれを下支えしていたのは日銀の超低金利政策だったことは明らかだ。バブルを早く退治するには、0.5%をとりあえず死守し、チャンスがあれば0.75%に引き上げればいい。
それなのにまた、
渡辺喜美金融担当相は22日午後の閣議後の記者会見で、日銀の金融政策について「米欧ともに金融引き締めではなく金融緩和の方向で足並みを揃えている。日銀だけがひとり蚊帳の外では協調体制はうまくいかない」との見解を示した。そのうえで、同日の会合で金融政策の現状維持を決定したことについて「日銀だけがメーンシナリオを維持して利上げの機会を伺うという方向性だと、米欧がそういう方向に行っていないのとかけ離れてしまう」との見方を示した。(ロイター)
などと世間体ばかり気にしている人が約1名閣僚にいるのだから、困ったものだ。
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