フィクサー

fixer公式サイト。原題「Michael Clayton」 。トニー・ギルロイ監督、ジョージ・クルーニートム・ウィルキンソンティルダ・スウィントン。悪徳農薬会社のお抱え法律事務所の弁護士2人が次々と不審死を遂げたら、農薬会社にだって疑惑の目が向けられるはずなのに、そんな下手な真似するかなあ、とまず思ってしまう。農薬会社の法務部長(ティルダ・スウィントン)がおバカと言ってしまえばそれまでだが。
車を爆破された時、たまたま馬に見入っていたクレイトン(ジョージ・クルーニー)、機転を利かせて、燃える車の中に携帯電話と財布、腕時計を投げ入れる。これも、よく分からない。法務部長の手先に携帯電話を盗聴か電波をキャッチされている可能性があるが電源をオフにしてしまえば同じじゃなかろうか。ましてや財布とか、腕時計はいったい何のために。手先が確認にきたら、死体がないだけで失敗を悟られるだろう。仮に現場に近づかず、手先がクレイトンは死んだものと思い込ませるには、クレイトンが弟の刑事と策を練って一時的に死んだものと偽情報流すだろうから問題ないはず。どうも解せない。
同僚の弁護士(トム・ウィルキンソン)が神経衰弱で奇行をするというのも何か必然性がイマイチ分からない。板ばさみくらいで裸踊りはないだろう、という気がする。
クレイトンは賭博常習ということになっているが、クルーニーの顔立ちはいい男過ぎてそんな風に見えない。最初の顧客のひき逃げ男にしても、もみ消しビジネスのような汚い仕事も収益源だという法律事務所の実態を表現したいのも分かる。その他、法律事務所の合併話があって、大事な顧客の和解を滞りなく済ませないと自社が危なくなるということも分かる。けれど、そうした周辺事情が事件の核にうまく有機的に結びついていない印象が強く、全体にギクシャク感が否めない。
組織のために個人が押し潰され、法務部長も弁護士もおバカでキレてしまいそう、早くもらうものもらって現実から逃げてしまいたいという描写をしたかったのだろうけど、ややこしい割に説得力がなくて結局失敗作の感じがする。
ティルダ・スウィントン、あの程度の演技でアカデミー助演女優賞かあ、という思いもある。
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