幻影師アイゼンハイム

illusionist0公式サイトスティーヴン・ミルハウザー原作、原題The Illusionist、ニール・バーガー監督、エドワード・ノートンポール・ジアマッティジェシカ・ビールルーファス・シーウェル。最初から目的は決まっている。ジェシカ・ビールの美しさを堪能すること。19世紀末のウィーンの雰囲気を背景に、Mayerling Incidentという実際に起きたオーストリア皇太子ルドルフの怪死事件をヒントにした幻影のようなラブロマンス。
illusionist1見終わって、どうもイリュージョニストは2人いるんじゃないかと思えてくる。アイゼンハイム(エドワード・ノートン)が子供の時に手ほどきを受けた木の下の男。この人、15年たってだいぶ老けているが、ソフィー(ジェシカ・ビール)を検死した医者と同一人物のように思えてきた。大体、木もろとも消えるなんていう大技も、アイゼンハイムが最後にやる自分消しと同じだ。師弟コンビが組めば最強だろう。
illusionist2その妖術の正体と思われるホログラムの歴史を調べると、1947年、ハンガリーDennis Gaborだ。半世紀早いがハンガリー人というところが微妙にアレだ。オレンジの木も、初歩的なからくりロケットの発展形だろうが、こりゃ、無理だと思う。でかい果実まで折りたたむのは。
ソフィーの死が幻影であることは既にショーで予告されてはいるんだけれど、謎は、ソフィーの葬式は死体なしでどうやって怪しまれずに挙行出来たかということ。首の傷くらい誤魔化せると思うけれど、まさか荼毘に付されて骨だけなんて状況的に有り得ないし、警察があの怪しい医師らしき老人の言うことを鵜呑みにして詳細な検死しない訳ないだろう。まさかそこまで妖術でやってのける訳にはいかないだろうし。実際に皇太子(ルーファス・シーウェル)は殺していないのだから、天の声で隠滅すことも有り得ないし。
illusionist3見た限り、ソフィーが馬に跨って帰ろうとしたところを剣で切られ、映画「モンゴル」状態で、そのまま馬に跨って川に転落したことになっているが、そんな手の込んだトリック使うのはなぜだろう。ただ厩で死んでいれば、真っ先に皇太子が疑われむしろ好都合のはずだが、それではトリックが使えないという苦肉の策だろうか。結局、よく分からずお手上げ。
ところで、アイゼンハイムを小さな小屋で待つソフィーは魔法が解けたように現代的なイギリス人かアメリカ人になっている。歴史的時間に耐えられる表情の美しさを持った女優ということで、当初の目的からすれば大満足。
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