軽薄なバイオ燃料叩き

バイオ燃料、「詳細な研究」「国際対話を」食料サミット(日経) 焦点のバイオ燃料に関しては、推進派の米国やブラジルが食料危機に与える影響は小さいという主張を盛り込もうとしていた。しかし途上国を中心にバイオ燃料普及に伴うトウモロコシなどの価格高騰を批判する声が強かったため、今後も国連食糧農業機関(FAO)などを中心に食料価格への影響を研究し、各国が対話を続けるという表現で双方が歩み寄る形になりそうだ。
大体、食糧にしても、石油にしても、元々同じ有機物起源の燃料なのだからバイオ燃料叩いても意味がない。
記憶する限り、ブラジルは1960年代あたりからバイオ燃料使っていた。原油が採掘できないために自国で取れるキャッサバなどからアルコールを作ってガソリンなどに混ぜて使っていた。今急に流行に便乗してやり始めたことではない。
仮にバイオ燃料を作るのやめれば、その分、石油の需要が増える。その分、原油価格が高止まりして、それが食糧価格に跳ね返って来る。バイオ燃料叩いてもモグラ叩きの自己撞着になるだけだ。
ブラジルの近隣にある産油国はベネズェラぐらいなものだろう。後は結局、中東あたりから船で遠距離を運ばねばならなくなる。オイル・マイレージが長くなる。バイオ燃料やめて食糧増産して地球の裏側の日本や中国に運べばフードマイレージが高くなる。これ、ますます原油の需要が多くなる原因を作ってしまう。
以前にも書いたがバイオ燃料は、バイオ資源は原油と違って偏在していない分、地産地消性が高い。アメリカやブラジルは今後もバイオ燃料を作るべきだろう。そのことが食糧輸入国の自給率を高める動機付けとなる。
持続的にバイオ燃料開発のインフラが整えば、やがてセルロースバイオ燃料の効率的開発につながるだろう。
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