食糧サミットは茶番劇だ

食料サミット、貿易障壁を削減 宣言採択(日経) 農業国の輸出規制やバイオ燃料の利用推進を食料価格高騰の原因と位置づけて対策を打ち出すには至らなかった。
国連食糧農業機関(FAO)のディウフ事務局長は今回、各国や国際機関などが表明した食料援助額がイスラム開発銀行やフランスの15億ドルを筆頭に合計65億ドル(約6800億円)に上ったことを明らかにした。

結局、この種のサミットはむしろ食糧危機を煽るための儀式のようなもので、八百長だ。
こういう会議は、ある意味アリバイ工作のようなもので、その実は広告宣伝費のようなものなのだと思う。盛り上げるだけ盛り上げて国際世論を方向付けて投資を促進する。今、アフリカは高度成長期で5%ほどの伸びを示している。投資しがいのある地なのだ。
そんな高度成長なら援助なくても自力で何とかできるだろうと思えるが、先のアフリカか開発会議でNHKの討論番組に出演していたアフリカの国際機関のある代表は「成長率7%でなければ自立できない。5%ではまだ援助が必要なのです」と言っていた。この調子だと、この人、アフリカが7%成長達成すれば「成長率9%でないと自立できない」と言い出すに違いない。
大体、援助額の表明など額面通り行われたためしなどない。インドネシアスマトラ津波など大規模な災害が起きた時、発生当初は各国がはでに支援額を表明するが、追跡調査して額面通りかどうかなど確かめられていない。メディアが関心失えば、いつの間にか有耶無耶に終わるのが世の常だ。
しかも、今度の食糧サミットにしても、援助という名目でも、援助なのか投資なのか区別がつかない。
それでまた「日本は他の国に比べて少ない」と批判が出て、馬鹿正直に日本だけ額面通り援助すれば、表明自体が「援助額相場」の吊り上げに効果があったことになる。国際政治はキツネとタヌキの化かし合いで、油断もすきもない。
輸出規制も、名目は国内消費のための防護策だが、実際には原油価格が高騰して食糧価格先高感を見越した「売り惜しみ」戦略だ。日本は福田康夫首相が備蓄米の古米を供出すると表明したそうだが、供出って無償提供のことなのか、輸出のことなのかはっきりして欲しい。備蓄米だって市場価格が高騰した資産だ。
食糧まで投資促進策に使われたらたまったものではない。
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