バグズ・ワールド〜風雲アリ塚城

ant1公式サイト。原題「La Citadelle assiégée」(英語タイトル:The Besieged Fortress)フィリップ・カルデロン監督、オオキノコシロアリ、サスライアリ、女王シロアリ、黒アリ大王ほか。これは凄い。どんなスペクタクル戦争映画も、パニック映画も、怪獣映画もかなわない。わずか5ミリの兵士が全て怪獣。その数200万vs.2000万。別に数えたわけでもなさそうだが、人間同士の戦争なんてせいぜい10万人単位だからスケールが違いすぎる。怪獣の数でこれに勝る怪獣映画も存在しない。
ant2それを可能にしたボロスコープというのは、どんな特撮もかなわない。しかも、ちゃんとドラマに仕立て上げられている。
西アフリカにサバンナにある200万のオオキノコシロアリが棲む蟻塚。200万都市(Citadelle⇒city)だ。たまたま近くの大木が雷に撃たれて倒れ、蟻塚が一部破壊されたことから物語が始まる。蟻塚はオーストラリアで見たことあるが、触るとセメントのように硬い。だから大木が倒れ掛かっても小破で済むのは理解できる。でも、ここらへんは、きっとヤラセがあったのだろう。
ant3奥の院におわします女王アリにも、まず割れ目から流れてきた泥流が迫るが、なぜかギリギリセーフ。ここらへんはドキュメンタリーでありながら演出の按配があざとい。
割れ目から出てきた臭いを感知したサスライアリ軍団は黒アリ大王の指令のもと、2000万の兵で蟻塚城に攻め入る。彼らは数が多過ぎて軍団そのものが蟻塚になってしまうのだから究極の蟻海戦術。
数に物言わせ、怒涛の城攻めで女王蟻の運命やいかにだが、最後は生まれたばかりの透明なシロアリまで戦いに挑む。理性か本能か、とか言う前に、実質人間もやっていることに何も変わりがないことに却って感動する。
合計3種類のアリが登場するが、兵隊アリ、働きアリごとに色合いも違い、その迫力は飽きさせない。この映画は怪獣映画のあり方を根底から覆すかもしれない。
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