闇の子供たち

闇の子供たち公式サイト梁石日原作、阪本順治監督、江口洋介宮崎あおい妻夫木聡佐藤浩市鈴木砂羽、プライマー・ラッチャタ、プラパドン・スワンバン、豊原功補塩見三省。玄人の新聞記者(江口洋介)が敗れ、素人半のフリー・カメラマン(妻夫木聡)や一途だけそうなボランティア(宮崎あおい)が結局「勝利」するという構図なのだろうか。
大手新聞社のバンコク特派員って実際はタイ語なんて話せる人はほとんどおらず、もっぱら現地タイ人の助手が現地新聞読んだり、通訳して取材するのだけれど、江口洋介演ずる記者はよほど例外らしく、自ら希望してタイ専従で根付いてしまったらしい。助手もいない、妻もいない、子供も・・・いない。「ここは天国だ。もう東京に帰らない」なんて台詞もある。それがまた伏線と言えば伏線なのだけれど。現地NGOの人からも以前取材されたことを引き合いに出されて「子供がお好きなんですね」と言われたりもしている。
そもそも、子供の人身売買というネタも江口が仕入れたものではなく、東京本社社会部記者が入手したものだ。というか、江口はそんなこと東京から言われるまでもなく、とっくに知っていて、その中で生きていたらしいのだ。よく週刊誌などがスクープしたのを記者クラブ詰めの記者が「そんなこと知っていたよ」としれっとするというのはよくあるパターンだけれども、監督の意図もそこら辺の現場の堕落にあるのかもしれない。
だから、江口の仕事ぷりもどこか中途半端。カメラマンの妻夫木を利用するって、自分で撮れよって感じ。妻夫木の使われ方がイマイチ。もうちょっと自分で頑張るかと思ったのだけれど。北京五輪じゃないが、男性は弱く女性は一途に強い。
それにしても、売春宿に出入りする白人男性。よくここまで醜い格好の人間を探してきたものだと感心するくらい醜い。一部で反日的という声もあるらしいけれど、映画に関してはそういう印象はないのもこのためなのだろうか。
ラストの銃撃戦も何やら取って付けた印象を免れない。その時の江口はまるで「ミスト」のラストのようなのだけれど、江口の人格に関しても、そんな奥行きのある屈折は感じられないので、かなり唐突だ。
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