今頃定説覆された森林の炭素吸収

日刊温暖化新聞:古い森林も炭素吸収源として貴重--これまでの説を覆す新しい研究 オレゴン州立大学は9月10日、樹齢の高い森林であっても何千年にわたって大気中の二酸化炭素を吸収し続け、気候変動の緩和に貢献するという新しい研究を伝えた。この研究結果は、9月11日付の科学誌「ネイチャー」に発表された。これまでの一般的な説では、古い森林は大気から吸収する炭素と同じ量の炭素を排出する(カーボンニュートラル)とされてきた。ところが、この考え方は、1960年代後半に行われた1つの研究に基づいているにすぎない。今回の新しい研究はこの説を覆し、古い森林も炭素吸収源としての働きがあるとしている。しかしながら、このような樹齢の高い森林は国際条約で保護されておらず、また、京都議定書でもその重要性が認められていない。
そ、そんなあ、今頃「覆す」なんて。私の脳内ではとっくの昔に常識だったんだが。(「炭素本位制ノート4〜森林保有は儲かる」)
英語原文:Old Growth Forests Are Valuable Carbon Sinks Contrary to 40 years of conventional wisdom, a new analysis to be published Friday in the journal Nature suggests that old growth forests are usually “carbon sinks” – they continue to absorb carbon dioxide from the atmosphere and mitigate climate change for centuries.
(Natureダイジェスト)
読んでいるうちに、嬉しいというより情けなくなってくる。京都議定書のメカニズムになる基礎研究ってこんな程度のものだったのかと思ってしまう。彼らは腐葉土の堆積とか、森林からの有機物放出とか常識で考えて分かることも無視して、40年前の研究を妄信していたというわけだ。地球温暖化懐疑派もおバカなら京都議定書推進派も相当おバカだったわけだ。
それにしても今頃になって「覆す」とは、いまどきの研究者のやっていることって一体何と思いたくなる。世の中って思いのほか低いレベルでいい加減に動いて来たのだとつくづく実感される。
ところで、このことについては「ふるさと炭素税国際版」で、weoさんとえらく議論したんだけど、更新もあまりないようだし、その後どうなさっているのやら。
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