世界経済が静止する日

日銀、利下げ観測強まる 日米の政策金利差逆転、円高加速を懸念(日経) 米連邦準備理事会(FRB)による事実上のゼロ金利政策の導入で、日米の政策金利が逆転した。これを受けて円高・ドル安がさらに進む可能性もあり、日銀に追加利下げの風圧が強まる情勢だ。米国の踏み込んだ政策変更に続き、市場では日銀も新たな政策対応が避けられないとの声が強まっている。18日からの金融政策決定会合では追加的な決断を迫られる。 日米の政策金利差は昨年夏には4.75%あったが、米国の大幅利下げによって逆転。
世界のGDP1位、2位の国が事実上のゼロ金利政策に進んでいるというのは、世界史的な壮大な実験のように思えるけれど、今のところ相場は静寂とさえ言える不気味さ。
ニューヨーク・ダウは上昇したが、9000ドルに届かず、そんな大した上げではなかった。東証に至っては、ツレ高の後は、一時下げに転じてしまい、結局申し訳程度の上昇で終わった。為替も予想外の利下げの割に1ドル=88円台で留まっており意外と円高にならなかった。こんなものかという感じ。
静かだ。この分では、日銀が付き合い利下げを見送らない限り、ドルキャリートレードの巻き戻しでまた円安にぶれるかもしれない。日銀政策金利決定会合が終われば、金利差問題は一段落し、円ドル相場はしばらく激しく変動することはなくなるのではないか。金利差が解消されると、為替市場に入っていた投機マネーが妙味をなくして去ってしまうだろうから。
スイスを除いてまだ欧州の金利が相対的に高いけれど、欧州はどうもこれ以上の利下げに消極的のようだ。とすると、為替市場では当分の間、イベントはなくなり、ますますなぎ状態になる。
仮定の話として、もし欧州の金利までがゼロ金利になったら、世界は一体どうなるのだろうか。そうなるとインターナショナルな投機マネーの移動はほとんどなくなり、それこそ地球全体がマネー氷河期になるかもしれない。言わば脈拍が小さくなって心拍が弱弱しくなるように冬眠状態になるとか。なにせ、世界同時ゼロ金利なのだ。映画「地球が静止する日」じゃないけれど、「投機マネーが滅亡すれば、地球は生き残れる」というノリになって来る。
実際にそうなるかはともかく、世界は未体験ゾーンに突入していて、分かっていることは、各国が利下げで景気良くマネーを放出していることだ。
となると、行き場のなくなったマネーはなぎ状態が過ぎると内向してまたドメスチックに不動産に向かい、不況下の株高ということになるのだろうか。しかも株はほとんど無意味に上げ下げを繰り返されるだけとか。まあ、これまでだって無意味と言えば無意味だったのだけれど、金利差というエンジンがなくなれば、今後一体どのようにマネーは移動の動機付けとなる差異を見出すのか。今後は大きな差異だけでなく、わずかな差異がきっかけになって、それが蟻の一穴となって予想外に変なものが上がり出す悪寒がする。
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