ガイトナー氏は中国だけでなく日本の円安政策も警告

英中銀総裁、量的緩和も視野「景気、年前半に一段と収縮」(日経) 英国の中央銀行イングランド銀行のキング総裁は20日の講演で今後の金融政策について「まだその局面でないが、いずれ利下げ以外の非伝統的な金融手法を検討するかもしれない」と述べ、金融機関の与信力を高めるため金融資産を買い取る量的緩和も視野に入れる考えを示唆した。
日経平均反落、終値306円安の7745円(同)の主因はこれだろう。これで、英国もゼロ金利確定のようなものだから、いよいよ世界同時ゼロ金利が見えてきた。
為替は今度はポンド安を見越してポンド・キャリートレードが行われているらしく、欧州通貨安、円高、ドル相対高になっている。次のイングランド銀行利下げ決定までまたラリーが続くのだろう。いよいよ未体験ゾーンの黙示録的世界に入ってきた。落ち着くまではまだまだのようだ。
ところで、「オバマ大統領、中国は為替操作国と認識」ガイトナー氏が表明(同)とあるけれど、実は日本だって超低金利政策で実質的に為替操作していたようなものだ。BusinessWeekでは、
Geithner Warns Japan, China on Currency Timothy Geithner has wasted no time making it clear that the Obama Administration will oppose any moves by Japan or China to weaken their currencies. While Japanese exporters like Sony (SNE), Nissan (NSANY), and Toyota (TM) all expected to post operating losses as the yen soars to near-record highs against the dollar, Geithner told the Senate Finance Committee at his Jan. 21 confirmation hearing that the Obama Administration will frown on attempts by Japan to weaken its currency. "I believe that it's very important for the U.S. and for the global economy that our major trading partners operate with a flexible exchange rate system, in which market forces determine the value of exchange rates," he said after he was asked about the possibility that Japan may intervene to weaken the yen.
と中国とともに日本に対しても為替介入に警告している。むしろ、日本に対しての方が強い印象だ。これを受けてCNBCのコメンテーターも円安政策を保護貿易主義の観点で論じていた。
しかし、中国のように政府管理レートじゃないから、あっちがどんどん利下げしてもう逃げ場がなくなったのが現状だろう。変動相場制に移行して35年経つのに政治の方はまだ新興国気分なのだ。
いつの間にか実効為替レートは130ポイントぐらいに上昇している。つい半年前ほどは100ポイント割る状況だったから、円の価値は3割上昇したことになる。GDPでは落ち込むだろうが実効為替レートが反映されるGDIやGNIではそれほどでもないから、相対的な購買力は確実に増える。貯まりに貯まった日本企業の内部留保も更にその価値が増えていることになる。本来なら今こそ外向きにアイスランドの一国ぐらい買い取るくらいの心意気になるべきなのだろうけど、付き合いで内向きになる。全世界同時ゼロ金利になっても、多分日本が一番消極的で、どこかが動かなければ動かないのだろう。円独歩高が泣くというものだ。
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