政府紙幣と円天は別の意味で相性合いそう

ロイター:政府紙幣・無利子国債発行に向け、3月末までにとりまとめ=自民有志議員 政府紙幣は現行の日銀券とは別に政府が紙幣を発行し、日銀が資産として保有することや、市中で流通させるケースなどが想定されている。政府の債務ではなく、利子負担も発生しないが、政府の財政健全化への取り組みへの不信やインフレを招く懸念がある。日銀が保有する場合は、日銀財務の健全性に疑念が生じかねないなどの問題的が指摘されている。
DIAMONDonline:高橋洋一 東洋大学教授 「危機打開へ政府紙幣発行も検討せよ」 25兆円ぐらいの政府紙幣、普段やっちゃいけないですよ、でもデフレの時はやっても大丈夫です。
すなふきんの雑感日記;何でこう予想通りの展開になるの? 政府紙幣を円天*1を引き合いに出し叩く人たちが出てくる悪寒はしてたけど、今日の日経新聞の朝刊コラムなんかあまりにもステレオタイプな展開で噴出しそうになった。曰く、そんな打ち出の小槌みたいなうますぎる話はないという。
じゃあ、想定外のこと考えて政府紙幣と円天の相性の良さを考えてみる。
円天といっても、お騒がせの詐欺電子マネーのことではなく「円相場が天井に張り付いている」という意味での円天ということ。
今、円はドルだけでなく、他のほとんど全ての通貨に対して円独歩高状態で、実効為替レートがあっという間に高くなってしまった。円の購買力が一気に増大したという意味で正に円天状態だ。
ということは、為替相場では円の需要が歴史的なほど高まっているわけで、世界各国から円が欲しがられているということだ。言わば一人勝ちベストセラー状態なのだがら増刷出来、ということで円紙幣を刷ればいい。
ということは、今円紙幣を刷ることは、世界の円需要に応えることになり需給の法則からして円を増刷する理由がある。引いては単に日本国内だけの景気対策ということではなく世界経済全体にカンフル注射を打つに等しくはなりはしないか。売られているユーロ紙幣やドル紙幣を増刷するより買われている円紙幣を増刷することは合理的であり、効率的だ。
Econviews-hatena ver.∞:森永卓郎「政府紙幣を財源として強力な景気対策を実行せよ」
マネーを市中に供給すれば物価は上がる」ことはお認めになるんですよね?物価が上がりすぎたら引き締めればそれでおkでしょう。
そうそう、他国と金利差があった時はいくらマネーを市中に供給しても、金利の高い国に逃げて物価が上がらなかったが、今は逃げる心配ない。
しかも、日本は今政策金利0.1%なのだから利下げ余地はなくても利上げ余地はたっぷりありすぎる。インフレなど心配に及ばない。インフレ懸念が出始めたらさっさと政策金利を0.25%に戻せばいい。更にインフレが進めば2%まで政策金利を上げて、その段階で政府紙幣は打ち止め。金利正常化成功。
そもそも今回の金融危機の淵源は基本的に正常金利を無視した長すぎた日本の超低金利政策の反動だったのだから、金融危機克服はむしろ日本主導で行うべき筋合いだろうし、現にそれをできる立場にある。日本だけが円独歩高なのだから、こうした増刷を唯一行える国だと思える。
何か間違ったこと言っているかな?
ところで、政府紙幣って仮に1人25万円支給されたとして、政府紙幣じゃ自動販売機や電子マネー入金は無理だろうから、預金口座にいったん預けて、25万円引き出せば、日銀券が出て来るんだろうか。受け取った銀行だって利便性が悪いから日銀に持って行けば、日銀券と交換してくれるんだろうね。日銀が拒否するなんてことあるんだろうか。ここら辺がイマイチ理解できない。
ちなみに、森永卓郎氏は「デザインは日銀券と同じにして」と主張しておられるが、現行紙幣に書かれている「日本銀行券」の文字はどうするんだろう。これだけで自動販売機通らないと思うけれど。
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