少年メリケンサック

merican公式サイト宮藤官九郎宮崎あおい佐藤浩市田口トモロヲ木村祐一三宅弘城ユースケ・サンタマリア勝地涼田辺誠一宮崎あおいさん(かんな)が可愛い顔にうんこぶっかけられるは、恋人マサル(勝地涼)の歌をクソと腐されるは、車の中でおなら連発されるは、散々臭い目に遭いながらも、めげずに糞度胸で頑張るど根性契約社員物語。そこはかとないクサさへの渇望とでもいうのだろうか。
レーベル会社の新人発掘担当の契約社員かんなは、パンクグループをネットで発見、その無茶苦茶な演奏と外連味に両目がこんな↑状態になるのだが、25年前の引退コンサート。この時差というのは、どうしても必要不可欠のようで、こういう反則技がないと始まらないのが今時の音楽系映画。
そもそも、メリケンサックというタイトル自体、正式にはナックルダスターと言うそうだ。拳にはめて打撃力を強化するための武器。かつてプロレスラーのクラッシャー・リソワスキーメリケンサックでジャイアント馬場を流血させたことで有名になった↓

が、もちろん反則技だ。けれど、プロレスも反則技があってこそ盛り上がる。子供の頃、生で見た馬場の大流血は今見るとそれほどでもない。記憶なんてあてにならない。けれど、興奮状態で見ていて、フォールが決まった途端、観衆から「やったああああ!!!!!」という絶叫の声が上がったのを覚えている。
興奮度だけなら今のK1も比較にならない「切実さ」があった。何かしらみんなが知っている歌謡曲が今はなくなったのと通じるものがある。
彼ら中年メリケンサックを見ていると、素朴で幸福なプロレス全盛時代の名勝負と、その後の生涯1プロレスラーを貫いたご老体の御大ジャイアント馬場と重なってしまう。
こういう外連味がかつてあったのだけれど、それと対照的に脱臭されたような清らかなマサルの歌がクソ扱いされる。反論するどころか妙に納得してしまうかんな。除菌され、脱臭された現代が反語的にクソ扱いされ、対照的に動物的体臭が漲った本当にクサかった一昔前の時代へのノスタルジーのようなアンチテーゼが感じられた。ラストもお尻で「End」と念が入っていた。よくよく考えれば、punkって糞野郎という意味だし。
最初Gacktかなと思ったTELYA役が「ハッピーフライト」でパイロット役をしていた田辺誠一だった。違和感ないのに驚き。
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