しっぽに振り回される日本経済

円、3カ月半ぶり安値97円台後半 対ユーロは伸び悩み(日経) 財務省が朝方に発表した15―21日の対外・対内証券売買契約で対外中長期債投資の買越額が2週連続で1兆円を超え、国内投資家の外債投資意欲の強さが確認されたことも円の重しになった。
結局、現在の円安は「日本ダメダメ論」による日本売りというよりも、円キャリーの巻き戻しの巻き戻しなんだろう。
Economics Lovers Live:日本銀行の政府紙幣への言い分では(日銀が)「深刻なのは、日本の方がアメリカよりもましとみていること。経済成長率の落込みをなんだと思っているのだろうか? 正直、その甘い認識の驚き」と感想述べられているけれど、ある時点での経済成長率の落ち込みだけでアメリカより日本が深刻というのはどうか。Blog vs. Media 時評:1月の輸出金額が45%減少、貿易赤字9526億円という数字も恐らくボトムだろう。英語に
The tail wags the dog.(しっぽが犬を振り回す)
という言い回しがあるように、円キャリーというしっぽの巻き戻しで起きた円独歩高で犬が振り回されて日本経済の成長率が大きく下ぶれたと考えれば、そんなに深刻ぶることもなし。円は最高値からもう1割以上安くなってしまったから成長率の落ち込みも減殺されるはず。特に「外国貿易乗数は大国のほうが大きい」(池田信夫blog:日本経済のダメージはなぜアメリカより大きいのか)ことを考慮すれば、その外需依存による落ち込み分は逆に作用して1割以上減殺される公算が強いのでは。
ましてや、政府紙幣だが、今現在ではタイミングを逸した感が強い。これは本当に1ドル70円台の日本経済になった時に取っておいていい気がする。けれど、こういう小説が出るのと同時に円安になるというタイミングの悪さは世の中がマネーの速い動きに付いていけていない何よりの証左のようだ。現実問題として、もうヨーロッパをのぞいて金利下げ余地がなくなっているので、「しっぽの振幅」は徐々に小さくなりそうなので1ドル70円現実化する可能性は極めて低いと思われ。
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