ホノカアボーイ
公式サイト。ハワイのホノカアのサイト。真田敦監督、岡田将生、倍賞千恵子、長谷川潤、喜味こいし、正司照枝、蒼井優、深津絵里、松坂慶子。思わず「ホンワカボーイ」と読み違えそうな映画。けれど、そこには無邪気に生きる日本人観光客ともう生きていないような地元日系人とが対照され、昔の日本と今の日本が出会っているような。
のっけから蒼井優ちゃんが登場。いきなり盛り上がるかと思いきや、何をしたかと言えば、溶岩台地の岩陰ではしたなくも用を足して、はい、さいならって、こんな無愛想な出演の仕方ってないだろうが。あれは一体何だったんだ。どうせならせめてケツくらいさらして帰れよ。
代わりに岡田将生君(レオ)が見せなくてもいいケツさらしていたぞ。代わりに登場した長谷川潤(マライア)だって、水着もパンティもさらしていたぞ。蒼井優の「ハワイ島とハワイってちがうんですけど」という台詞が実は意味深だったのだけれど。
エロ本が出て来るは、何たらで、ホノカアの町が枯れている割に出て来る者どもは枯れていない。倍賞千恵子(ビー)は意地悪ばあさんと化しているけれど、この人、実はもうとっくに死んでいるんじゃないか。「人間に作るの久しぶり」なんて台詞はいているくらいだから。そんな枯れた人までが生きて出て来るは、死んだエロ親父がまた生き返ってくるは、ポプコーン売っている人も眠ったまんまだから、正にエロスとタナトスが同居しているような町。そのコミカルな表現はマライアのまくられたブルーベリー柄パンツ見て「ブルーベリーって目にいい」とビーの視力を回復させようという試み。何かオカルト的ですらある。そもそも「チャック開いてますよ、嘘ですよ」とか何気に下半身ネタが満載なのか?
あの映画館だって一応観客入っているけれど、現実の観客には見えない。熱でグニャグニャになったフィルムが生きた海藻扱いされるは、ウンチからソフトクリームへ変換されるはで、もう生死関係なし。
ビーが蒼井優やマライアに嫌がらせするのも、死んだ人間が今は盛りの生きた人間に嫉妬しているということで。アレルギー反応って生きている人間の証のようにも見える。モチーフになっているmoon bowも実は目が見えなくなる寸前に現れる視覚現象と重ねられていて、それは生と死の境目ということになる。
ということは、レオだって本当に生きているのかどうか。彼のパーソナルヒストリーってほとんど皆無だし。
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