フィッシュストーリー

fishstory公式サイト伊坂幸太郎原作、中村義洋監督、伊藤淳史高良健吾多部未華子濱田岳、森山来來、大森南朋、渋川清彦、大川内利充、眞島秀和江口のりこ山中崇波岡一喜高橋真唯石丸謙二郎。末期がん患者(石丸謙二郎)は至福の瞬間が迫り、避難して人気のない町を電動車椅子で意気揚々と動き回る。若いときから夢見ていた「世界の終わり」がいよいよ我が物となるのだ。
それは1999年のノストラダムスの大予言便乗のインチキ宗教者の失敗以来の見果てぬ夢。健常者にとっては禍々しいことではあっても、末期がん患者にとっては大勝利なのだ。それ故、はやる心に水を差すように何事もなかったように営業しているレコード店が気になり入店する。店主は1970年代、「フィッシュストーリー」をプロデュースした音楽プロデューサーの息子。「フィッシュストーリー(ほら話)」と1970年代にベストセラーになった「大予言」が重なり、「どうせ売れない」と「どうせ世界が滅んでも」とが微妙に共振している。
どうせなら、この末期がん患者も元バンドメンバーだったら。よく考えるとドラムスの男(渋川清彦)あたりが微妙に怪しい。「次の食い扶持探さないと」なんて言っていたし。
頓挫したパンクロックという同じ原点をもつ「少年メリケンサック」との決定的違いは男臭さを真正面から受け止める宮崎あおいに強烈な存在感があったのに、多部未華子の存在感があまりに希薄なこと。基本的には全く違う作品なので比べても仕方ないのかもしれないけれど、“玉突き”的なえにしを最終的に受け止めるのは麻美(多部未華子)だが、眠り症なことも、ただえにしを結ばせた偶然を演出するだけだし、数学天才少女ぶりを表現するのに黒板に難しい数式を並べ立てるだけじゃ、芸がない。他愛のなさが世界を救うが売りなのだけれども。「メリケン」のバンドは不細工ぞろいだったが、こちらはみんないけていて、逆に「売れるわけない」に説得力がなくなってしまう。
ゴレンジャーは5人、バンドは4人、時代区分は基本4つ、人類滅亡まで5時間とちょっと中途半端な数合わせ。4つのストーリーも必ずしも必然の関係性があるわけでもない。その意味でも中途半端。1970年代には、あんな茶髪の女もいなかった。
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