金融資産1500兆円の大部分が高齢者所有と内需不足は無関係

Chikirinの日記:“若者的なる者が消費する”という概念
要するに、内需不足は1500兆円という規模の金融資産の大部分を持つ高齢者消費市場を開拓してこなかった、と言いたいらしい。けれど1500兆円って遊休資産でもないし、今後どんどん目減りしますよ。
一番簡潔で適当な解説は、
2025年:高齢化で変わる日本経済・社会 日本の家計貯蓄率の長期的な動向と展望だろう。
1970年代には20%超あった貯蓄率が2007年には2%に低下。2025年にはさらにかなり低くなっていると予想しているが、遅かれ早かれマイナスに転じる可能性が高い。「アクティブシニア」なんてわけの分からないこと言って、無理矢理高齢者に貯金取り崩させたら、それはそれでえらいことになる。無理矢理消費煽られる高齢者もありがた迷惑だろうが、そもそも企業が高齢者向け市場に目を向け始めたのはもう20年前くらいになる。心配しなくてもとうに考えられている。あまりやりすぎてバリアフリーでかえって注意力が散漫になってかえってボケの進行が早まるんじゃないかとか、そんなレベルになっている。登山だってマラソンだってやたら高齢者が多い。
で、企業に資金調達をする役割を果たし、政府の国債を引き受ける役割を果たしていた金融資産がどんどん目減りしたら、国債社債の買い手が少なくなり長期金利が上昇する。そしてやがて日本の産業全体が縮小し、気が付けば高齢者も若い世代も貧乏になる。国家予算で言えば、国債分は内需拡大に貢献しているんだけどなあ。
そんな無理して高齢者に浪費されたら、相続する若い世代が困ることになる。折角あてにしていたのに、いざ相続という場面になって「うわぁ、うちのおやじ、死ぬ前に全部使ってやがった」なんて泣きが入ったら、それこそ若い世代は目も当てられない。
そもそも「内需不足」なんて言葉自体が欺瞞的だ。「供給不足」は「実体」としてあっても「内需不足」というのは仮想的な経済用語にすぎない。需要喚起のための需要喚起なんて最終的にろくな結果にならんことは今回の金融危機で懲りているはずなんだが。
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