ウォッチメン

watchmen公式サイトザック・スナイダー監督、パトリック・ウィルソンジャッキー・アール・ヘイリービリー・クラダップマリン・アッカーマンマシュー・グード。1980年代後半のアメコミの映画化。1940年代の「ミニットマン」の第2世代のヒーロー「ウォッチメン」が節目節目の歴史の転換点をwatchして歴史的時間を変換して活躍してきたのだが、「核の恐怖の均衡」が最強のヒーロー、スーパーマン=ドクター・マンハッタン(ビリー・クラダップ)が人間嫌いで火星に逃避したことから崩れ、二期8年制度を壊して大統領に留まったリチャード・ニクソンが世界平和達成を横取りしてしまうというアミコメによるアミコメのための現代史。
ウォッチメンの中に心理テストの定番ロールシャッハ(ジャッキー・アール・ヘイリー)が登場するが、マスクまでロールシャッハ風に変化して「何に見えますか」と尋ねられているように見える。答は素顔はダーティー・ハリー、マスク姿はバットマンのジョーカーだろうなあ。ドクター・マンハッタンというのは、多分第二次大戦中のアメリカの原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画}からのもじりのようだ。その他、どう見てもバットマンにしか見えない人(パトリック・ウィルソン)、スーパーマンの好敵手のような人とか、アメリカ版「ヤッターマン」のドロンジョのようなコスチュームの女性ローリー(マリン・アッカーマン)とか、それはもう多士済々。
最初から最後まで荒唐無稽なのだけれど、もはやゴースト化した故に無敵のマンハッタン。何が強いかといってこの世で「死」ほど強いものがあるだろうか。ベトコンを平気で殺戮したりかなりバイアスのかかった「正義の神」になってしまうが、実際には死神なのだ。その死神が「核戦争が起きても宇宙の出来事では些事で、神は振り向きもしない」って「神は死んだ」のコミックバージョンを言い放つが、けれど、些事こそがこの世で貴いのだという大転換が待っている。
世界平和は政治的にニクソンキッシンジャーのコンビに掻っ攫われるのだけれど、その後に待ち受けているのはニュースのない「退屈な平和」。その退屈を紛らわしてくれるのが、このアミコメというオチまである。
ご愛嬌でレーガンがなぜか1988年に大統領(本当は1980〜88年)になるのだけれど、このズレ具合は一体何なんだろう。ニクソンは都合20年大統領でいたことになる。余程ニクソンはアミコメにとって、からかいやすいヒーローなんだろう。
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