イチローの「日本選手安打記録更新」は奇妙な名目だ
【シアトル16日共同】米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(35)=本名鈴木一朗=は16日、シアトルのセーフコ・フィールドでのエンゼルス戦に「1番・右翼」で出場して4回の第2打席に右前打し、張本勲氏(68)の持つ日本プロ野球記録の3085安打を上回り、日本選手では最多の日米通算3086安打をマークした。
普通に読み流すと、気付かないけれど、この記事は極めて曖昧だ。
日本選手では最多の日米通算3086安打をマークした。
この場合、
1.「日本選手」を「日本人選手」
と解釈すれば、間違っている。張本氏は日本に帰化しておらず、今も昔も在日韓国人なので、最初から比較対照外だ。
2.「日本選手」を「日本のプロ野球選手」
と解釈すれば、イチローは既に日本のプロ野球選手ではない。
3.「日本選手」を「日本のプロ野球出身または在籍経験選手」
と解釈してようやく収まりそうだ。冷静に考えると、かなり無理というか、ぎこちない。それなら外人助っ人選手とか、逆に広島カープ出身のメジャーリーガー・アルフォンゾ・ソリアーノ選手とかも「日本選手」になってしまう。
日本プロ野球年間最高打率保持者ランディ・バース氏も「日本選手」だし、王貞治氏の年間本塁打記録55本と並んでいるタフィ・ローズやアレックス・カブレラも「日本選手」だ。けれど、誰も彼らを「日本選手」の記録と思っていないだろう。
これだけ国際交流が進んでいるのに「日本選手」という曖昧なくくりで大騒ぎするというのもいかにも「日本的」ではある。「日本選手」の定義は裁量で決まることにおいて、官僚行政・検察の「裁量」と実は同じことを「日本人」一般が無自覚に行っていることになる。別にそれがいけない、と言い切るつもりもないのだけれど。
一番スッキリしそうなくくり方は多分「日本語ネイティブな選手」という埒もないことになるんだろうか。
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