マスコミの隠蔽体質を引き摺った池田信夫blog

前エントリーの件、池田信夫さんも事実上訂正された模様です。その後のコメント欄で、

「構想も何もなかった」とは書いていない。

とか、

この「国民車構想」のようにいろいろ口は出したのでしょう。

と書かれています。まあ、本文の、

冒頭に出てくる「国民車構想」からして完全なフィクションだ。

とは、普通に理解すれば、「完全な支離滅裂」なのですけど、これは池田さん流訂正記事なんでしょう。一応、「誤解しているのは主旨を理解できない君たたちだけれど」という形を取りながら、本文とコメント欄の「全体調和」で、「事実上誤っていない≒事実上訂正」という落としどころを見つけたようです。なんか永田町的決着の付け方のような。
なんで、こんなややこしいことするのか、さっさと本文訂正すればよいうのにという向きもあるかもしれませんが、池田さんは元NHKディレクターで、訂正するのは不名誉というマスコミの体質がまだ残っているからでしょう。
新聞にしても、スクープ記事などはこれ見よがしの大見出しで掲載しますが、その中に誤りがあっても、なかなか訂正しない。もはや是非もなくなった状態でようやく訂正記事が出ても、紙面の隅っこに小さく載せるだけ。ほとんどの人は気付かない。テレビ報道にしても、訂正する際は、アナウンサーが早口で棒読み風に読み上げ、聴いている方は「一体何の訂正なんだよ」と思っているうちに終わってしまう。
よく日本は生産者重視、消費者軽視と言われますが、これは製造業だけでなくマスコミにおいても同じで、消費者軽視の現われでもあるし、人事評価も基本的に減点主義だから、外部から誤りを指摘されるのは社内的にも不名誉で大きな減点対象なんですな。マスコミも所詮官僚組織だから。
そういうDNAが身に付いてしまっているのか、blogをやられてもその体質はそのまま引き継いでおられるようです。
私も池田さんのブログに粘着しているわけでもなく、日本では珍しく良くも悪くも知的刺激を受ける一流のブロガーであることは間違いないでしょう。けれど、NHK時代の体質はまだ抜けてないみたいです。これから抜けるとも思えないけど。
このエントリーにしても、経済産業省憎しのバイアスかかりすぎて暴走しなければ、「官僚たちの夏」の読み応えのある解説文だと思うのですけどね。訂正したからといってエントリーの価値が減殺するわけでもないのに。こういう遠まわしの訂正は池田さん流に言えば、効率が悪く、ブログの生産性を低める要因になると思います。もっともアクセス増の観点からはその逆かもしれないですけど。
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