北極海は現代のテチス海か


今年の北極海の海氷面積が史上最小に迫る勢いで溶解が加速している。(参照)果たして一昨年の最小記録を突破するかはまだ分からないけれど、ヨーロッパからベーリング海峡を通って東アジアに抜ける“北極海航路”はまもなく開通しそうだ。これを見計らったように、
北極圏、米・カナダが再び共同調査「資源争奪戦」に参加 (日経)

米国とカナダが8月7日から大陸棚の共同調査をすることが決まった。大陸棚がどこまで延びているかを調べる目的で昨年に続き2回目。北極海を囲むロシア、ノルウェーデンマークとの権益争いに出遅れた格好となっている米国がカナダと共闘で“資源争奪戦”に参加する。
 米国務省が28日に発表した。調査は9月16日までの41日間で、米加両国から1隻ずつ砕氷船が参加。米船がソナーで海底地図を描き、カナダ船が堆積(たいせき)物の厚さなどを調べる方式で「共同調査で数百万ドルのコスト削減ができる」(米国務省)。
米研究機関などの推計によると、北極海底は未発見の石油・天然ガスの約4の1を埋蔵しているとされる。

なぜ北極海底にこんなに石油や天然ガスが埋蔵しているのかと言えば、恐らく北極海自体が巨大な沼のようなものだからと思われる。大西洋を除いて周囲は大陸に囲まれ、夏に河川から流れてきた有機物が北極海底に堆積し、ただでさえ寒い上に、海面は氷が覆っているので余計に分解されにくい。言わば、中生代テチス海に近い状態だからではないだろうか。
ここで資源開発されたうえ、海氷面積が減れば、それだけ有機物貯蔵庫=炭素貯蔵庫=炭素吸収場所としての役割が削がれることになる。このことは、海氷面積の減少によるアルベド効果の光反射の減少以上に大きいかもしれず、大気中の二酸化炭素増大による地球温暖化の加速化の原因になる恐れがある。
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