のりピー・ショックとリーマン・ショック

酒井法子容疑者逮捕で違約金は数億円か(日刊スポーツ)

酒井法子容疑者(38)はトヨタ自動車「ノア」、アラクス「ノーシン」のCMに出演し、契約を交わしている。2つとも現在はCMは放送されていないが、トヨタは契約の打ち切りを決めた。アラクスも契約を解除するとみられ、今後、酒井容疑者側が数億円単位の違約金を支払う可能性も出てくる。サンミュージックは近く両社に謝罪し、話し合いを行うようだ。

けれど、契約内容に本当に違約金を請求できる条項ってあったのだろうか。アメリカの場合、ありそうな気がするが、日本の場合、かなりドンブリ勘定というかドンブリ契約な気がする。そもそも逮捕だけなら推定無罪なのだから、契約に「不起訴であれ、逮捕される騒ぎを起こしただけで商品イメージを傷つけたら違約金を支払う」とか、そんな条項、ありそうにない。今は雰囲気で違約金を支払うムードでことが進んでいるのかもしれないけれど、法的に違約金を支払う根拠って多分ない気がする。不起訴になったらまた状況が変わるのだろうか。
大体、一部テレビタレントに言わせれば、「マネージャーでさえ噂は知っていた」とか、後出しじゃんけんか何か知らないけれど、一応噂はあったのかもしれない。
けれど、最高裁が製作した裁判員制度の広報用映画「審理」に酒井法子容疑者が主演したり、トヨタやノーシンのCMに出演させたり、知らなかったからなんだろうけれど、こういうリスクマネジメントって意外に杜撰だなと思えてくる。大手広告代理店って逮捕状が出るまで何も知らなかったのか、知っていてもあまり関知していなかったのか。
リーマン・ショックでも、ことが起きて「百年に一度の金融危機」と世界中が慌てたけれど、後で知れば、みんな無茶苦茶やっていて、そりゃ暴落するわなの話。たとえ話に色々な金融商品を混ぜ合わせた福袋の中に一つ毒饅頭が入っていたため、誰も手が付けられず、福袋ごと捨てられて金融危機になった。
タレントという存在そのものも福袋みたいなもんだと思う。人間には多様な側面があり、色々なものが混ぜてある。「酒井法子」という福袋には「清純派」「ママドル」と書いてあって、トリプルAの評価だったのだろう。だから最高裁トヨタアラクスも福袋買った。
けれど、この福袋の場合、格付会社に相当するのはやはり広告代理店だろうか。けれど、この格付会社、格付もするが、金融商品(福袋)も売る。
もっと客観的な格付をするには、単に人気度、好感度だけでは駄目で、例えば結婚リスク、離婚リスク、不倫リスク、大麻リスク、あぶりリスクなどを評価するリスクマネジメントが必要なのではないか。
と、思うのだけれど、こういうことは多分、将来的にも行われない気がする。やるだけコストがかかるのに対し、ダメージは一時的で、すぐに忘れ去られる。事実上使い捨ての期間が短くなるだけで、使う側が圧倒的有利。わざわざコストかけてまでリスク管理する必要ないということか。
というわけで酒井法子さん、いっそ居直ったら、とは思う。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 経済ブログへ