山崎養世氏はなぜ「例外なく高速道路無料化」と言わない

高速道路無料化のすべての疑問に答えます:山崎養世氏(シンクタンク山崎養世事務所代表)VIDEONEW.COM
民主党高速道路無料化政策の理論的支柱である山崎養世氏によれば、あまり使われていない地方の高速道路は無料化で地方在住者が恩恵を受け、地方が住みやすくなって首都圏、京阪神圏、名古屋圏の人口集中を分散化させられる、という。また地方都市には路面電車も復活させるべきだという。
一方で、首都高速阪神高速のような利用車が多く渋滞が見込まれる高速道路は料金を取ればいいという。
最近の同党高速道路無料化案の担当者である馬淵澄夫議員は渋滞するのなら首都高、阪神高速だけでなく東名、名神なども無料化しない可能性もあると発言している。
これじゃ、メインの高速道路は実質有料維持になりかねない。
そもそも、首都高、阪神高速を有料化するという時点で最初から綻んでいる。
無料化すれば、高速、一般道含めて渋滞は大幅に減ると見るのが普通だ。渋滞するなら料金を取るというのは全くナンセンスだ。そんなこと言っていれば、お盆休みはどこも渋滞する可能性があるだろうから全高速無料化できないことになる。及び腰もいいところだ。
大体、今は渋滞情報は車乗りながら手に入れられるので渋滞を選ぶか避けるかは車のユーザーが自己責任で判断すればよい。
首都高、阪神高速だけでも有料を残せば、ETCも廃止できなくなるし、ムダを切り捨てられなくなる。料金所を受け持つ下請け会社も残さねばならない。
山崎氏の言っていることはおおむね正しいのだけれど、言っていることと実際にやっていることとズレがある。どうしてはっきり「例外なく無料化」と言い切らないのだろうか。渋滞だから有料化などナンセンスだ。麻生内閣の週末1000円は繁忙期に逆に料金下げたから渋滞しただけの話で渋滞で無料化を躊躇するのは間違っている。
また電気自動車が普及すれば鉄道利用と同じことになると言っているが、これも間違い。そもそも電気自動車が今のガソリン車並みに普及するのは、ましてや長距離走行となると何十年後のことになるやらはさておき、電気自動車が人間1人運ぶエネルギーコストは電車に比べて比較にならないくらい高い。特に長距離走行ならどうやっても勝てない。せいぜい人口密度の低いところで短距離で割安になる程度だろう。
太陽電池風力発電でまかなえれば問題なしとするなら太陽経済超楽観主義だろう。そんなに世の中うまくいくわけない。
その楽観主義のためか、暫定税率廃止の代替措置は何も言っていない。当然炭素税あたりを持ち出すのかと思えば、何も言わなかった。これだと乗用車の長距離利用者が増えて鉄道事業が圧迫され、いくら渋滞解消効果で燃費が良くなっても、車の絶対走行距離が延びてトータルでCO2排出が増えるのは目に見えている。
恐らく、この問題を解消するのは「ふるさと炭素税」しかないと思える。山崎氏も「ふるさと法人税」なるものをぶちあげていたが、まさか東京以外法人税特区にしても企業は地方に移らないだろう。人と人とのウェットな付き合いが多い国内企業が振り向くかどうか。
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