2020年まで温室効果ガス25%削減はごく穏当な目標

鳩山由紀夫民主党代表が“宣言”した温室効果ガス削減目標、2020年までに1990年比25%削減は、過激なものでもないし、国民に苦しみを強いるものでもない、ごく穏健な目標に見える。
元々以前から2050年までに60〜80%削減という中期目標があるのだから、2050年には70%削減しなければならない。
現状は90年比プラス8%ぐらいなので、向こう11年間で33%削減することになる。単純計算すれば、毎年3%ずつ削減しなければならない。
仮に2020年に目標通り25%削減達成できたとして、やっと90年比0.75だ。
更にそれから30年間でこれを0.3にしなければならない。2020年時点で更に40%削減しなければならない。年当たりにすると単純計算で1.3%ずつ削減しなければならない。
一見、2020年以降の方が楽に見えるけれど、これこそ「乾いた雑巾」状態で、更に削減するのはもっともっと難しい。減量でもそうだが108キロある現体重を11ヶ月で75キロに減らすのはやる気さえあれば意外と可能だろう。しかし、更に同じ11ヶ月で体重を30キロ減らすとなると、十中八九の確率で無理が祟って死亡することだろう。しかし30ヶ月にペースを下げれば不可能ではない。
その意味でこの鳩山宣言は妥当なところだ。
ところで、そうは言っても、108キロを75キロにするのは苦しい。では、どうすれば言いかと言えば、日本の石炭、石油、天然ガスの輸入量を炭素トータルで毎年3%ずつ減らす輸入制限すればいい。なぜならこの方法が最も公平で絶対確実に実現可能だからだ。
輸入制限さえすれば、否が応でも企業は省エネするか海外へ工場移転するだろう。それでかまわない。元々1990年以来、日本の企業は東南アジア、中国、最近はインドへと工場を移してきたのだから、これまで通りにその流れが継続するだけの話だ。
一般国民は今まで通り、車を乗り回し、電気を使う。これも自由だ。ただ、そうするためのコストが跳ね上がるだけだ。となると、もうエコポイントとかエコ補助金なんてしなくても多くの人は車を減らし、3台あるのを2台に、2台あるのを1台に、1台あるのを0台にしようとするだろう。事務所も工場も省エネや太陽電池を設置するようになるだろう。まだ眠っている海流発電や潮汐発電、ゴミ発電、地熱発電にも投資されるだろう。埼玉県の面積ぐらいある耕作放棄地も農業だけでなくバイオ油田になる。高速道路や大型橋梁も風力発電施設になる。
やらないとしょうがない状況が確実に作り出されるのだ。
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