中小企業元本返済猶予法案は民主党の準マニフェストだったらしい

池田信夫blog:鳩山由紀夫氏のモラトリアム宣言
を読むと、

総選挙で鳩山由紀夫氏は「返済猶予法案は川内博史氏のアイディアだが、私も応援する」と明言した。

とあるが、調べてみると、それ以前にも早くから鳩山由紀夫氏は明言し、民主党マニフェストに入れる検討もされていたようだ。
オリジナルとされる川内博史氏のサイトには確かに、

民主党は、中小企業・小規模企業を、全力で応援します。
中小企業元本返済猶予法とは
銀行への返済は利息分だけにして、元本の返済は景気が回復するまでの間2年間以上は猶予します。
『中小企業元本返済猶予法』
★まずは2年間、必要があればそれ以上、元本返済を猶予する。
★その分、金融機関には日銀から無利子貸与する。
★条件変更どおり利息が支払われている限り、不良債権に分類しない。

とあるが、書いてあることは氏独自のアイデアぽくなく、何かテンプレで貼ってある雰囲気。
民主党参議院議員藤末健三公式ウェブサイト2009年05月26日付では、

予算委員会 中小企業の借り換えへの信用保証による元本返済猶予
本日の予算委員会で同僚 尾立源幸参議院議員が「中小企業の既存融資に緊急信用保証を行い100%政府保証とすることにより元本返済猶予(金利だけ支払えば不良債権にならない)の検討を中小企業庁がする」ことを経済産業大臣から言質を取りました。

とある。まあ、当時の経済産業相は受け流した程度なのだろうけれど。
さらにパチンコ屋の倒産を応援するブログ2009年7月8日付
では、

中日新聞7/6朝刊三面より
【中小の元本返済猶予法案を検討 民主代表明かす】
 民主党鳩山由紀夫代表は五日、東京都議選の応援演説で、中小企業の資金繰り悪化に関し、元本の返済を一定期間猶予する法案の提出を検討していることを明らかにした。
衆院選マニフェスト に盛り込む考え。
 鳩山氏は「中小企業の多くは、景気が厳しい中で元本の返済ができない。民主党は、景気が戻るまで利息分だけ払えば済むような中小企業の元本返済猶予法案を検討している」と述べた。

とある。元の中日新聞はネットから消えてしまったようだが、鳩山氏は早くから元本返済猶予法案をマニフェストレベルで検討していたことは間違いないようだ。
また国会議員ではないが、2007年参議院選挙全国比例区民主党公認で次点に終わったはたともこ氏のブログには2009年07月15日付けで、

民主党は、中小企業・小規模企業を、全力で応援します。
銀行への返済は利息分だけにして、元本の返済は景気が回復するまでの間2年間以上は猶予します。
『中小企業元本返済猶予法』
★まずは2年間、必要があればそれ以上、元本返済を猶予する。
★その分、金融機関には日銀から無利子貸与する。
★条件変更どおり利息が支払われている限り、不良債権に分類しない。

と、川内博史氏全く同じ内容を掲載し、2009年07月28日付では、

27日に発表された民主党マニフェストに、「中小企業元本返済猶予法」という言葉がなかったことについて、党本部に確認したところ、鳩山代表および小沢代行からもマニフェストに明記するよう最後の会議でも念押しがなされたそうで、本番に配布される資料には必ず掲載される、ということでした。
27日配布資料分では、印刷が間に合わず掲載されなかったということですので、安心しました。
「しっかり宣伝してください」とも、付け加えられました。

とある。実際には結局、マニフェスト本番用にも明記されなかったが、少なくとも、民主党内部では“マニフェスト未満”あるいは“準マニフェスト”扱いだったことが伺える。
これまで国民新党亀井静香氏のオリジナルと思っていたが、少なくとも今春の時点から民主党内で検討されていたことは明らか。
とすると、この時間ギャップが問題になる。今春以降、景気は底をとりあえず脱したとされるので、この元本返済猶予法案を今出すべきかは当然慎重でなければならない。現に藤井裕久財務相平野博文官房長官も否定的だ。
鳩山首相は、元本返済猶予法案の検討経過を説明し、はっきり今やるべきかどうか、どう考えているのか明言する必要がある。やらないのなら、はっきり謝罪すべきだ。
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