返済猶予制度は第2の新銀行東京になる悪寒

こんな法案、ジョークかと思っていたら、本当にやる気なんだ。
政府保証で元利返済猶予を導入 最長3年、中小企業支援(47NEWS)

原案では、資金繰りに苦しむ中小企業が、最長3年間の返済猶予や返済期限の延長など融資条件の変更を金融機関と協議することを規定。銀行などが条件変更に応じにくいケースには、緊急保証制度や企業再生支援機構などを活用し、実質的に政府保証を付ける。
緊急保証制度は新規融資が対象となるため、既存融資から借り換えることで新たに保証を付ける手法を検討する。国が中小企業の返済を保証し、借り手が破綻しても元利金とも全額が返ってくることから、銀行は条件変更に応じると期待している。
新たな財源は使わないが、破綻が相次ぐと、国民の税金による穴埋めが膨らむ恐れもある。

新銀行東京は正に「半年つぶれない会社と半年でつぶす会社」で書いた通りに「新銀行東京のwin-winなビジネスモデル発覚」と相成ったわけだけれど、今回しゃぶられる可能性があるのは納税者そのものだ。借り手が破綻しても銀行は政府保証で元利金とも全額返って来るのなら、リスクはないことになる。じゃあ、また借り手と貸し手がつるんでいくらでも税金をしゃぶりつくせることにならないか。下手したら日本の銀行全体が新銀行東京化して出鱈目融資することになりかねない。だって貸し手にリスクないんだろ。
返済猶予法案 原案で大筋合意(NHKオンライン)

返済猶予となるのは、金融機関や信用保証協会がそれぞれ審査を行って、将来、業績の回復が見込めると判断した中小企業と、失業や勤め先の倒産で収入が大幅に減り、住宅ローンの返済が困難になった個人を対象としています。また、元本だけでなく、希望者には金利の支払いについても、最長で3年間猶予を認めることとし、金利も猶予の対象になった企業には、これまでの融資を金利の支払額を加算した新たな融資に借り換えてもらう仕組みを導入するとしています。さらに、金融機関の経営への影響にも配慮して、返済猶予の期間中に企業が破たんした場合は、政府が信用保証協会を通じて損失を肩代わりする制度も設けますが、一方で、金融機関がどれくらい返済猶予に応じたかという件数や金額を、定期的に国会に報告することを義務づけるほか、金融庁も、金融機関への検査の際に、返済猶予を希望する企業に適切に対応したかを厳しく調べるとしています。

今頃喜んでいるのはそのスジ系企業じゃなかろうか。リスクがない以上、どうせ審査なんていい加減に済ませられる。今度は「3年でつぶす会社」がばかばか出てきそうな気がする。亀井静香の狙いは元々ここら辺にある気がする。
そもそも中小企業ってのは、なんでこんなに保護されなければならないのか。不況のたびに中小企業が大変だ、というのはマスコミの常道になってしまった。「大企業べったり」は日本共産党の常套句だが、「中小企業べったり」報道は、それが一番分かりやすく擁護しやすくて受けがいいからだろう。日本に中小企業が多いのは過保護され放しだからではないか。しかも、実際は「中小企業」はダシに使われてまた無駄な血税がしゃぶられる。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 経済ブログへ