池田信夫氏が1年がかりでコソーリ訂正していた件

これは昨年4月の記事。
アゴラ・輸出立国モデルの「突然死」-池田信夫

昨年度の貿易収支が7253億円の赤字となり、28年ぶりの貿易赤字に転落しました。(略)
日本の貿易は、中国からの輸入による赤字を対米輸出の黒字で補ってきました。今回の経済危機で対米黒字が減ったために対中赤字が表面化しただけで、こういう傾向はずっと続いています。赤字が増える理由は簡単です。中国のほうが製造業の生産コスト(特に賃金)がはるかに安いからです。

と書いていた。ところが、
kmoriのネタままプログラミング日記:対中国赤字?で早速、ツッコミが入り、

赤字だったのは2001年だけ。1998〜2000年のデータも別の統計で見てみたが、それらも黒字だった。中国は日本にとってずっといいお客さんだったのである。表には差額しか示していないが、輸出額も輸入額も同様のペースで成長してきていて、その金額は2001→2008の間に4〜5倍にも増えている。その割に貿易バランスが大きく膨れることもなく、いい関係を維持していると言えるのではないだろうか*1。

と、香港(中国の一部)経由を無視して対中赤字だという池田氏の杜撰さを指摘された。
これに対し、アゴラのコメント欄(トラックバックは拒否)で

5. 池田信夫2009年05月07日 11:09
なお「中国と香港を合計すれば貿易黒字だ」という噴飯ものの話があるようですが、香港の単位労働コストは先進国並みなので、まったく別の経済圏です。

と一蹴していた。
この池田氏のコメントは当ブログでも「日本の輸出立国は劇的復活を遂げる」でも、

香港は1国2制度と言っても、中国の一部です。百歩譲って香港が独立国であっても、中継貿易って概念ご存知ないのか。所得水準が違うからって別の経済圏って関係ない。じゃあ上海も除外して計算してよ。

と書いておいた。
ところが、ところが、最近の「VOICE+3月号:雇用規制で日本を見限る製造業」では、

日本は対中赤字に見えるが、香港経由を含めるとまだ黒字で、日本は技術集約的な資本財を輸出して労働集約的な消費財を輸入している。先端技術の分野では日本の技術的優位はまだ大きいので、日中自由貿易協定(FTA)を結んで関税を撤廃すれば輸出が拡大できよう。

と書いている。
日本は対中赤字に見えるが、香港経由を含めるとまだ黒字
日本は対中赤字に見えるが、香港経由を含めるとまだ黒字

えぇぇぇぇ、


噴飯ものの話
香港の単位労働コストは先進国並みなので、まったく別の経済圏です
噴飯ものの話
香港の単位労働コストは先進国並みなので、まったく別の経済圏です

じゃなかったのかあ?
やっぱり池田氏の記事は、北朝鮮と類似していて、マスコミの隠蔽体質を持っていることが再証明された。こんな人が編集長だったら「アゴラ」全体が信用されなくなりそう。
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