アングロサクソンもイルカ肉を美味しく食っていた歴史

木走日記:アングロサクソンは「食文化」がないから反捕鯨に走る?

さて「食文化」が未熟なゲルマン・アングロサクソン諸国ですが、社会学マックス・ヴェーバーの指摘通り、資本主義国としては見事に発展していきました。
 特に、産業革命を成したイギリスとかつて大英帝国植民地であった、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、いわゆるアングロサクソン諸国は、今日世界の重要なステークホルダー国家となっております。
 ここで興味深いのはこれらアングロサクソン諸国がすべからく反捕鯨強行派である点です。
 私は思うのですが、そもそも「食文化」が未熟なこれらアングロサクソン諸国の人々には、他の国の「食文化」への理解・敬意、その「食材」への理解・敬意を深めることが難しいのではないのでしょうか。
私たち日本人は鯨を含め海洋資源を「海の幸」と称して慈しみ食すわけですが、実はこの感覚はアジア全般に共有されており、さらに地中海沿岸のフランス、イタリア、スペインと言った成熟した「食文化」を有する南欧ラテン諸国の人々とも共有されている文化であるのに対し、ゲルマン・アングロサクソン諸国とは共有しづらいのだと考えます。

砲弾放談」なんだからブッ飛ばしていいというワケでもないんだろうけど、やっぱり無茶苦茶やなあ。
クロマグロの問題は食の量の問題なのに、食文化という食の質の問題に転換しているのが痛い。
禁欲だから食文化が発達しなかったのじゃない。美味しい食材が手に入れる環境じゃなかったから美味しい食文化が発達しなかっただけ。禁欲が資本主義を発展させたのなら同じ禁欲でもって「我慢してすぐ食べない」保存食の食文化を発展させていたはず。京料理は保存食の食文化だ。実際、ドイツ料理は、

「ドイツの料理」は、フランスやイタリアなど南の暖かく食材に恵まれた国々の料理とは異なり、風土的に食材が不足しがちであるため、これを解消するための工夫が凝らされているのが特徴である。冬季は、作物があまり取れないためマリネやザワークラウト、ヴルストなどの保存食品が発達してきた。
(中略)
保存食としてのニンジンなど各種野菜の酢漬け(ピクルス)、保存された肉や魚の加工や調理が軸になる。魚料理には、白身魚のフライとウナギの燻製が有名である。

ちゃんと魚料理もありまっせ。食文化が豊か=美味しいとはいえないだけの話。食文化の成熟と言うなら保存食の方が成熟していないと持たないだろう。逆に熱帯のように食が豊か過ぎてバナナばっか食っている食文化もある。
それからクジラねえ。
鯨肉

中世ヨーロッパにおいてはビスケー湾などで組織的な捕鯨が行われ、鯨の舌が珍重されたほか、肉は広く沿岸民の食糧となった。特にイルカが食用として好まれ、串焼きやプディング、パイなどに用いられた。変わった料理法では、捕鯨船などでまれに供されたイルカの脳みそのフライが挙げられる。大型鯨が食品とはみなされなくなった後も、イルカについては比較的最近まで食用とされていた。15世紀のイングランド家庭料理についての本にもイルカ料理が登場する。イングランドの宮廷では17世紀頃までイルカの鯨肉が供された。19世紀に刊行されたハーマン・メルヴィルの「白鯨」にもイルカの美味はよく知られているという記述がある。なお、「白鯨」には、ある捕鯨船員の特殊な嗜好としてではあるが大型鯨のステーキを食べる描写もある。同じく19世紀にアメリカの捕鯨船に救助された日本人船員も、アメリカ人船員は大型鯨肉は毒だからと食べないが、イルカはまれに食べていると記録している。
カトリックにおける小斎のような信仰上の理由から肉食が禁じられているときに、禁忌に触れない「魚」として鯨肉を食べることも多かったようである。

うわぁ、鯨肉どころか、イルカ肉を一番好んだのは他ならぬアングロ・サクソンじゃねえか。おまけに禁欲代わりに鯨肉食っていたなんてなんたる皮肉。アカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞“ザ・コーヴ”がいかに食わせ物なのかはこれで決定。
まあ、日本語のみのウィキペディアだと水産庁工作員の情報操作という向きがあるかもしれない。では、
Food in England Since 1066

Not a lot of fresh fruit or vegetables in that lot! Most modern meat eaters would think twice about eating swans, porpoises or seals, but the earlier lords in their castles were even less squeamish:
果物や野菜はそれほどまでには多くはなかった。近代の肉食者のほとんどは白鳥やイルカ、アザラシを食うことを躊躇っただろうが、それ以前の城の領主たちはそこまで気難しくなかった。

とある。イギリスでもイルカを食っておったのだよ。もっとも食糧が豊かになったからだんだん食わなくなったという話。冷凍技術の問題もあったんだろう。
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