一票の格差是正は無視されるのか

定数削減、年内合意目指す=「ねじれ」乗り切りに自信−菅首相会見(時事)

 菅直人首相は30日夕、臨時国会召集に合わせて首相官邸で記者会見し、民主党参院選で掲げた国会議員の定数削減について、枝野幸男幹事長に「8月中に党内の意見を取りまとめ、12月までに与野党で合意を図ってもらいたい」と調整を指示したことを明らかにした。
 同党は参院選マニフェスト政権公約)に衆院比例定数80と参院定数40程度の削減を明記し、自民党みんなの党なども定数削減を掲げた。会見で首相は「国会議員自身が身を切ることも必要だ」と指摘した。首相としては、各党に痛みの伴う定数削減にリーダーシップを発揮することで、世論の支持回復を図る狙いがあるとみられる。

普通に考えれば定数削減と一票の格差はセットで是正すべきと考えるのだけれど、一票の格差問題はなんとなく来年中にとりまとめるだけで、さっぱり具体性が出て来ない。せいぜいお約束の○増○減でお茶を濁すだけなのだろう。あんなのは是正ではなく調整に過ぎないのだが。
「1票の格差」 去年より拡大(NHKオンライン)

総務省が発表した、ことし3月31日現在の住民基本台帳に基づく日本の人口を基に、衆議院の300の小選挙区を見てみますと、議員1人当たりの人口が最も多いのは千葉4区の59万8213人、逆に最も少ないのは高知3区の24万9624人でした。この結果、いわゆる「1票の格差」は最大で2.40倍と、去年より0.06ポイント広がっています。また、300選挙区のうち、格差が2倍を超える選挙区は去年よりも9つ増え、65選挙区となっています。一方、参議院都道府県ごとの選挙区を見てみますと、議員1人当たりの人口が最も多いのが神奈川選挙区の148万910人、逆に最も少ないのは鳥取選挙区の29万7666人で、「1票の格差」は最大で4.98倍と、去年より0.05ポイント広がっています。

どっちが優先すべきかと言えば、そりゃ普通に一票の格差だろう。こちらは憲法法の下の平等に直結する問題。他方、定数削減は国会のリストラの問題でしかない。議員が役立たずだから削減しようという話だ。重要度において次元が違い過ぎる。
ところが、現実は真逆。比例だけの定数削減ならむしろ一票の格差は是正されるどころか実質的には拡大される。格差分を比例でほんのちょっと“損失補てん”しているにすぎないのだから。
特に参議院などは一票の格差を是正するには比例の定数を選挙区定数に回さないとどうにもならない。もしくは3年おきの改選ではなく6年おき一括でもしない限り格差是正は無理だ。なにせ各都道府県47選挙区には必ず定数1は確保しなければならないのだから。現状の改選数121、うち選挙区73、比例48ではどうにもならない。是正ののりしろは73−47=26に過ぎない。これでは是正しようにも是正しようがない。
一番面倒くさくない方法は参議院を廃止、衆議院に吸収合併して全体で縮小なのだけれど、それじゃ身も蓋もないかもしれない。けれど、今現在身も蓋もないのだから衆議院一院制、定数600、うち比例200ぐらいでシャンシャンでどうだろう。選挙区定数増えると、小選挙区がさらに増えるので面倒だから選挙区は今の参院選挙区と同じ都道府県別にする。比例も参院と同じ非拘束名簿方式にして参院の面目を保つ。まあ、シャンシャン改革だが。
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