歴代日本人ノーベル賞受賞者の青春時代はいまだ高度成長期前

一体、日本人(元日本人を含む)ノーベル賞受賞者は青春時代、どんな時代を生きていたのか。彼らが20歳の時の時代を時系列的に並べると↓のようになった。この内2000年以降に受賞した人は★を付けた。

川端康成1919年
佐藤栄作1921年
朝永振一郎1926年
湯川秀樹1927年
福井謙一1938年
南部陽一郎1941年★
江崎玲於奈1945年
小柴昌俊1946年★
下村脩1948年★
鈴木章1950年★
大江健三郎1955年
根岸英一1955年★
白川英樹1956年★
野依良治1958年★
利根川進1959年
益川敏英1960年★
小林誠 1964年★
田中耕一1979年★

計18人のうち、2000年以降組が10人。この11年で数量的には倍増している。けれど、2000年以降組の20歳の時の平均年は1960年。最初の4人を例外扱いにして残り14人の平均年は1957年とさして変わらない。田中耕一さんは例外的に1979年で、次に若いのは小林誠の1964年で15年間の空白がある。もし村上春樹氏が受賞していれば、1969年なので少しギャップが縮まったのだけれど。
要は、近年受賞者が大幅増になったと言っても、戦後から1960年ごろまでに青春を送った人々がほとんどなのだ。戦後の復興期から高度成長離陸直前の頃の若者世代が今も主流派なのだ。
当時は物資的には恵まれておらず、文字通りハングリー精神で、政治的にも安保闘争をピークに盛り上がり、何事にも「本気で」若者が何かに必死に夢中になっていた時代。
この分だと、「以降の世代は何も執着しなくなっている」という理屈で、ハングリー世代が人生を卒業すれば、ノーベル賞冬の時代に突入する、という論調にもなりかねない。
けれど、そのような「ハングリーかハングリーでないか」というのは恐らく神話で、むしろそれ以降の“オタク世代”が案外、ノーベル賞ラッシュをもたらしてくれる気がする。偉大な発見や発明はやはり夢中になれる遊びから生まれるだろうから。これまでの海外留学組で、海外で認められて日本に凱旋というパターンから日本発ドメスティックノーベル賞の時代がやがて来るかもしれない。
恐らくその新世代の先駆けは田中耕一氏なのだろうか。彼も英国などに出向しているが受賞理由の研究は海外に行く前に国内で行っている。田中氏の世代がノーベル賞受賞適齢期(55歳以降?)になれば、純国産ノーベル賞受賞者が輩出されるかもしれない。
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