「政治決断」はコスト最大化のタイミングで行われる
首相が諫早湾干拓で上告断念 強権発動で指導力アピール 年金引き下げも 政府内は混乱(産経)
一方で、
菅直人首相は15日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)で潮受け堤防排水門の5年間の開門を命じた福岡高裁判決について「開門で海をきれいにしていこうという高裁の判断は大変重い」と述べ、最高裁への上告を断念する方針を表明した。
一方、干拓地4・5ヘクタールを借り、ジャガイモやニンジンを生産している農業生産法人・吾妻旬菜(長崎県雲仙市)社長の長谷川征七郎さん(67)は、「干拓地での農業を無視した判断。開門で使えなくなる農業用水の確保や防災対策などが示されないままで、納得できない」と唇をかんだ。
雲仙市で40年近く農業を営んできたが、規模拡大のため、干拓地が完工すると同時に2008年4月に入植。新しい土地での農業にようやく慣れてきたところだ。「菅首相は野党時代、事業を批判してきたから、こんな判断に至ったのか」と怒りは収まらない。
キャベツの収穫作業に追われていた農業生産法人・アラキファーム(熊本県苓北町)の諫早営業所代表、荒木一幸さん(33)も「もう、がっかり。国は地元に一方的に理解を押しつけるだけなのか」と悔しがった。タマネギを栽培している長崎県諫早市栄田町の前田国和さん(71)は「開門されて海水が入ってくれば、農業ができなくなってしまう」と語った。
つまり、もはや双方引っ込みがつかない状態になって初めて「政治決断」が行われたわけで、双方に補償金が出るのだから、補償金のコストは最大化するタイミングで「政治決断」がなされたと見ていい。
こうした決断は初めてでないことはもちろんない。
普天間基地移設問題だって現在進行形でコスト最大化路線まっしぐら⇒「嫌よ嫌よも基地の内」
昨年の八ッ場ダム建設中止決断も「八ツ墓ダム状態で、どんどん工事が進み、中止しようがしまいが建設コストは最大化への道を辿っている。
九州新幹線だって来年全線開業だが、常識に反して客需要が少ない八代―鹿児島間が先に竣工した。逆にすると、熊本までOKということになりかねず(実際、熊本までで十分だった。八代以降は在来線でも単線だ)建設コスト最大化がにっちもさっちもいかない状態に追い込んでいた。
地方空港だって、まず一番需要が少なそうなところから建設している。⇒「最後に造る地方空港が一番採算が良い」
今回も、今決断することで政策転換をしたように思えるが、コストは確実に最大化する形で「決断」されていて本質は何も変わっていない。
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