国民に熱中症ストレステストを強制する政府

原発:全てで耐性テスト…再稼働準備中を優先 経産相表明(毎日)

海江田万里経済産業相は6日午前、経産省で記者団に対し、原子力発電所の一層の安全確保のため、全原発を対象にストレステスト(耐性試験)を行うことを明らかにした。定期検査などで停止し、再稼働準備中の原発を優先して実施。具体的な試験項目は、細野豪志原発事故担当相や原子力安全委員会と協議して決定する。ただ、ストレステストの実施で原発の再稼働がさらに遅れるのは確実で、今夏の電力需給が逼迫(ひっぱく)するのは必至だ。

全国には商業用原発が54基あり、定期検査などで37基が調整運転中を含む停止中、5基が8月までに停止する見込み。ストレステストは設計上の耐性をシミュレーションするため、稼働中の原発でも実施できる。

何が悲しくて猛暑の本格化を前にした絶妙のタイミングで「再稼働準備中の原発を優先して実施」なのだろう。ストレステストは「稼働中の原発でも実施できる」のだから現在稼動中の原発や今すぐ再稼動できる原発も再稼動しながらでもできる。要するに再稼動とは何の関係もない。再稼動の条件でもない。再稼動とは全く無関係に実施できるものを、敢えて「再稼働準備中の原発を優先して実施」し、その間、再稼動を凍結することは、政治的意味以外何の意味もない。
政府は結果的に熱中症による大量虐殺を試みることになる。言わば熱中症弱者を狙った熱中症ストレステストだ。
世間に対する印象操作だけを考えると、確かに小利口なのかもしれない。熱中症で死亡者が激増しようが今のところ政府への風当たりは小さいと考えているか、過小評価しているのだろう。今は「放射能怖い」の空気が他のリスクが霞むくらい支配的だが、それはあくまで「今のところ」に過ぎない。一度熱波が襲ってバタバタ熱中症死亡者が激増すれば空気は一気に変わるだろう。そうなった時にまた押っ取り刀で方針転換しても遅い。印象操作ばかりに執着するのは裏返せば責任放棄と同義だ。
どうも「熱中症は心がけ次第で防げるから原発リスクとは違う」と考えられているフシがある。しかし、心がけ次第で防げるくらいなら交通事故死だって生肉中毒死だって何だってそうだ。リスクマネジメントが全然なっていない。
現実にこの夏の短期的ベースでは放射能で死亡するリスクより熱中症で死亡するリスクの方がはるかに高い。しかも、原発ストレステストと熱中症予防のための原発再稼動とはやり方次第で全くバッティングしないのだから完璧にナンセンスだ。高まるのは「政府はナチス並みに国民を大量虐殺した」と思われるリスクだろう。
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