ナベツネは裁判で負けるだろう

清武氏が巨人など提訴=「不当解任」と賠償請求−東京地裁(時事)

正当な理由がないのにプロ野球巨人の取締役を解任されたなどとして、前球団代表の清武英利氏(61)は13日、巨人と読売新聞グループ本社渡辺恒雄球団会長(85)を相手取り、計約6200万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
 訴状によると、巨人は11月18日、独断で同11日に記者会見を開き会社を混乱させたなどとして、清武氏を専務取締役球団代表から解任。渡辺氏は報告を受けたコーチ人事について「何も聞いていない」と虚偽の発言をし、読売新聞は一方的に渡辺氏の主張を報じたなどとしている。 
 清武氏は提訴後に記者会見し、「『鶴の一声』でコーチ人事を覆すのは選手、ファンへの裏切り行為だ。巨人は渡辺氏の私物ではない」と訴えた。

この件、両者の提訴が出そろった。読売側は、
1.清武氏が独断で記者会見を開いたことで江川卓氏のコーチ就任が実現しなかったと批判、「社内の機密事項を漏らし、会社の業務に損害を与えた」として取締役の忠実義務違反や不法行為にあたるとしている。
2.10月20日に清武氏や桃井恒和・球団オーナー(当時)から報告を受けた来季のコーチ人事については渡辺恒雄会長は「確かに報告は受けたが、人事については短い時間で、了承もしていない」と話し、それが最終決定ではなかったと主張。
3.コーチ人事案を「鶴の一声」で覆そうとしたとの指摘には「定款で、巨人の主要人事は読売新聞グループ本社代表取締役である私の事前の承認が必要だ。手続き上、何ら問題のないことだ」と語っている。
これは先に発表された、
【清武代表解任】「誤った事実・論評を公表」巨人が解任理由(産経)

(1)清武は、当社の取締役である以上、実現すべきと考える提案があるならば、取締役会の招集を請求するなど法令及び当社定款に定められた手続きに従って意見を述べるべきであるのに、そうした正当な手続きによることなく、さる11月11日午後2時より、文部科学省記者クラブにおいて、当社代表取締役社長・桃井恒和をはじめ、当社内及び親会社の他の幹部らに一切相談せず、まったくの独断で記者会見を強行し、会社を混乱させ、業務執行に多大な支障をもたらしたのみならず、広く社会にも混乱を引き起こした。
(2)清武は、記者会見で、誤った事実や論評を公表し、当社及び読売新聞グループの名誉、信用を傷つけ、イメージを著しく悪化させた。清武が公表した誤った事実や論評の主な点は、以下の通り。
■清武「渡辺主筆が一度了承したコーチ人事を覆した。これは、GM制度をないがしろにし、コーチの人権を侵害し、プロ野球界のルールを破る暴挙だ」
□(正確な事実・論評)チームの体制は最終確定しておらず、クライマックスシリーズ(CS)敗退を受け、コーチ人事の一部手直しが必要と考えられた。そうした状況で、渡辺主筆は、球団をより良くするための案を示したもので、暴挙などには到底当たらない。
■清武「渡辺主筆がオーナー、GMの人事異動を内示した。ヒラ取締役の一存でオーナー職等を剥奪するのは、会社の内部統制違反、コンプライアンス違反だ」
□(同)当社の定款では、本部長以上の人事は株式会社読売新聞グループ本社代表取締役の事前の承認が必要と定めている。一般にも、親会社が子会社の人事を行うのは通常のことで、内部統制違反、コンプライアンス違反には当たらない。なお、当社の定款では、前期人事のほか、読売新聞グループ全体にかかわる重要な事項についても、株式会社読売新聞グループ本社代表取締役の事前の承認が必要とされており、清武が前記記者会見を独断で行ったことこそ、定款に違反しており、内部統制違反、コンプライアンス違反と言わなければならない。
(3)清武は、前記会見で、コーチ人事構想にかかわる機密事項を暴露し、その実現を困難にさせ、当社の業務遂行を阻害した。

と大体同じ。
巨人:清武氏が会見で配布した文書全文(11/25)
不思議に思うのが、読売グループ本社の定款に本部長以上の人事は事前に承認が必要と説明されているが、これは清武氏を解任した根拠と言うことらしい。けれど、これ、ずれている感じがする。清武氏の発言には自分を解雇したことを不当と主張しているが手続き的に不当とは言ってなかったと思う。あくまで解任に至った理由が不当だと言っているに過ぎない。手続き的に不当と言ったのは読売側で、ここら辺にボタンの掛け違いがありそう。
清武氏はあくまで読売巨人軍ヘッドコーチ人事を勝手に変更したことが不当と言っているわけで、巨人軍ヘッドコーチは「本部長以上の人事」に当たるとは到底思えないので、オーナー代理兼代表兼GMが最終決定権があるのを逆証明していることになる。ナベツネ読売巨人軍にあって平取であり、最終決定者じゃないから、介入は不当ということになる。10月20日の報告をナベツネが了承したかどうかというのは最初から関係ない。平取として報告を受けたにすぎない。
江川ヘッドコーチ構想、あるいは事後修正された江川助監督構想もナベツネの個人的意見であり、代表権者たる清武氏が認めないと言えば、それは機密事項でも何でもない。
と、普通考えられる。大体、10月20日が最終決定でないとするなら、そもそもなんでCSシリーズ後にやらなかったのか訳が分からなくなる。
うまく修正しないと粛清される巨人軍」でも書いたが、読売側は後だしじゃんけん風の主張があまりに多く、裁判で追及されれば万歳になる可能性が大だろう。
Clickで救えるblogがある⇒にほんブログ村 ニュースブログへ